■本編
お母さんは空の上にいる。
幼い頃から、少年はずっとそう聞かされていた。
父親は母親がいなくなってからは、仕事に没頭するようになり、少年を顧みなくなった。
少年は引っ込み思案ということもあり、学校ではイジメられ、家では一人で過ごすことが多かった。
絶望と孤独に苛まれた少年は、母への想いが強くなっていく。
そして、少年は決断する。
母に会いに行くことを。
少年はどうやったら母親に会えるかは、おぼろげに理解していた。
なので、町の一番高い建物の屋上へと向かった。
少年は空へ向かって飛んだ。
最初は少年の予想に反して、体が地面に向かって落ちていく。
だが、目の前が真っ暗になった後は、少年の体は軽くなり、上へ上へと昇っていった。
そして、空の上へと、少年は辿り着いた。
だがそこには、少年の母親はいなかった。
終わり。
■解説
少年は自殺したので、地獄に落ちてしまった。