■本編
気に食わない奴がいる。
中学の頃から、ずっと嫌いで、高校で同じクラスになってからはさらに嫌いになった。
根暗でオタクのくせに、ちょっと顔がいいってだけで女子にモテやがる。
だから、俺はそいつをイジメることにした。
そいつの物を隠したり、遠回しに悪口を言ったり、のけ者にしたりと、色々とやった。
だが、あいつは神経が太いのか、まったく気にする様子がない。
俺のいら立ちは日々、募っていく。
そこで、俺は直接的にイジメることにした。
もちろん、問題になるとヤバいので、遊びのテイで、だ。
つまり、プロレスごっこと言って、あいつにプロレス技をかけるのだ。
もちろん、本気で技をかけるので、さすがのあいつも痛がっていた。
ざまあみろだ。
それを続けることで、俺は学校であいつに会うことはなくなった。
それにしても、毎日が暇だな。
何して時間を潰そうか。
終わり。
■解説
語り部がイジメていた相手は、イジメを全く気にしていなかった。
つまり、イジメだと気づいていなかった可能性がある。
ということは、プロレスごっこも、イジメではなく本当に遊んでいると思い込んでいたことになる。
そうすると、語り部はその相手からプロレスの技を逆にかけられることになる。
それがエスカレートし、語り部の方が登校拒否になってしまった。
なので、毎日が暇になってしまったわけである。