地下に住む者たち

意味が分かると怖い話

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本編

ある公園の地下には人食い人種がいるという噂があった。
 
最近、その公園で子供が行方不明になるという事件が多発している。
どの子供も、家族と一緒に遊びに来ていて、親が目を離した隙にいなくなっているらしい。
周りは人食い人種にさらわれ、食べられたのではないかと噂が流れる。
 
子供の行方不明が多発していることで、警察が公園を見回るようにしているが、不審者は見当たらない。
それでも、子供は行方不明になっている。
 
そこで警察は人食い人種の噂を信じるわけではなかったが、公園内に、どこかに繋がる通路のようなものがあるのではないかと考えた。
 
大人数の警察官を動員し、公園をくまなく探す。
すると、公園の端に地下の空洞に繋がる入口があるのを発見した。
 
地下の空洞はかなり広く、人が住んでいたとしてもおかしくない。
警察は軍に出動要請をし、地下の空洞に入った。
警戒しながら進んでいくと、ところどころに子供の死体や骨が放置されているのを発見する。
 
それはどれも行方不明になった子供のものだった。
 
そうなると噂の人食い人種が本当にいるかもしれないという緊張が走る。
少しずつ、慎重に調査を続ける警察と軍。
 
そして、調査から1ヶ月が経った。
地下の空洞には人食い人種どころか、誰も住んでいた形跡は見つからなかった。
 
やはり、地下に住む人食い人種は、ただの噂だと証明されたのだった。
 
終わり。

■解説

人食い人種がいないのであれば、一体、誰が子供たちをさらって空洞に死体を放置したのか?
この公園には「不審者」もいないはずである。
そして、行方不明の子供はみんな、「家族と一緒に遊びに来て」いる。
つまり、家族が人食い人種の噂を利用して子供を殺し、洞窟に死体を遺棄していたのかもしれない。

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