疑惑

意味が分かると怖い話

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本編

僕は彼女が浮気していると疑惑を持っている。

でも僕から別れ話を振ることはしない。
彼女から別れ話をしてきても別れるつもりもない。
 
きっと僕が邪魔だと思っているだろう。
なかなか尻尾を出さないが、何かあれば尻尾を出すはずだ。
 
休日に彼女と一緒に歩いている時だった。
不意に、暴走車がこっちに向かって来る。
 
僕はチャンスだと思った。
彼女は絶対に僕を車の方に押すはず。
 
「危ない!」
 
案の定、彼女は僕を押してきた。
だが、僕は彼女を押し返す。
 
彼女は道の外れへと倒れる。
 
そして僕はこの後、彼女にちゃんと愛されてたと気付いた。
 
でも、何もかもが遅かった。
 
終わり。

■解説

彼女は語り部を車の方へ押したのではなく、助けようとした。
しかし、語り部は彼女を押し返したため、車に轢かれてしまった。