集団下校

意味が分かると怖い話

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本編

最近、2年生の子が何人もいなくなっているらしい。
 
お母さんや先生の話だと、不審者っていうのが学校の周りをウロウロしているみたいだ。
だから、絶対に、1人で外を歩かないことって言われている。
 
朝は谷口君の家の前に集まってから学校に行く。
 
帰りは班分けされていて、美奈ちゃん、高橋君、けいちゃん、田口さん、星野君で集団下校している。
 
前までは高橋君とけいちゃん、坂下君と一緒に寄り道して帰っていたから、なんだか寂しい。
また、帰りに空き地でサッカーとかしたいなぁ。
 
美奈ちゃんは「変な人が捕まるまでの我慢だよ」と慰めてくれる。
「俺が見つけたらやっつけてやるのにな」って星野君が言う。
「捕まった人って、どうなったんだろ……」と田口さんが怖いこと言った。
「あ、俺こっちだから。じゃあ、また明日」と言って、高橋君が走っていく。
 
「そういえばさ。算数の宿題だけど、あれわかった?」と美奈ちゃんが言った。
確かに今日出された宿題は難しい。
「俺は父さんに教えてもらう」とけいちゃんが言う。
「いいなぁ。私の家は、ちゃんと自分でやりなさい、だよ」とため息をつく田口さん。
「あ、私、こっちだから。じゃあね」と言って美奈ちゃんが家に入っていく。
 
歩いていると、いつも寄っていた駄菓子のお店の前に来きた。
 
「ねえ、けいちゃん。お菓子買っていかない?」って僕が言うと、けいちゃんが笑う。
「いいね。ちょうどお腹減ったし」
「ダメだよ、買い食いしちゃ」と田口さんが注意してきた。
僕たちは口を尖らせて我慢するしかなかった。
先生に言いつけられたら大変だ。
 
「お、田口。お前もこっちだろ?」とけいちゃんが田口さんに言う。
「そうだった。危ない危ない」と田口さんが笑う。
「それじゃな!」
「バイバイ」
けいちゃんと田口さんが一緒に道を曲がっていく。
 
これで僕一人になってしまった。
まだ、僕の家までは遠い。
 
怖いと思いながら、僕は走って帰ることにした。
 
終わり。

■解説

いつの間にか星野君がいなくなっている。

 

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