■本編
その男は霊感が強く、霊の声が聞こえ、とり憑かれやすいことで日々、悩んでいた。
一度とり憑かれれば、成仏するまで離れてくれない。
なので、よくお寺に行ってお払いしてもらっていた。
そんな中、強力な霊にとり憑かれてしまった。
それは今まで見たことのないほどの強い怨念を持っている霊だった。
すぐにお寺に行って、お払いしてもらおうとしたが、住職でも払うことができないほどだ。
そこで男は、恐ろしかったが霊と対話することにする。
その霊はある女に騙されて殺されたのだという。
その女を殺すまでは成仏することはできないと霊は話した。
女を殺すことなんてできない。
だが、このままでは霊に憑り殺されてしまう。
なんとかならないだろうか。
そこで男は霊に女に復讐する以外で、心残りはないかを問いかけた。
すると、霊は一度、あの有名な遊園地に行ってみたかったと語る。
そこで男は遊園地に行く準備をして、霊に一日、自分の体を貸すことにした。
そして、一日が経った。
霊は男に「ありがとう」と言って、成仏した。
終わり。
■解説
霊は女を殺すまでは成仏することはできないと語っている。
そして、最後、霊は成仏している。
つまり、霊は男の体を使って遊園地に行くのではなく、女を殺しに行った。
この後、男は女を殺した罪で捕まることになる。