夫婦喧嘩

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本編

その夫婦は元々仲がよかった。
周りからはおしどり夫婦と呼ばれ、幸せそうに見えていた。
 
しかし、旦那の方が脱サラし、農業を始めた頃から夫婦仲は怪しくなっていく。
 
農業の経験がない旦那がすぐに上手くいくわけもなく、農業だけでは食べていけなくなり、妻の方がホステスとして働き出すようになった。
 
お互い、自分の生活リズムに合わせて行動するようになり、食事も別々にとるようになっていく。
 
お互い、寝て起きて仕事に行き、ご飯を食べて寝るという毎日を送る。
 
家の中の雰囲気も殺伐としていく。
 
そして、ついに夫婦は喧嘩をするようになる。
連日、長時間言い争いをする。
 
お互い、罵倒し続ける毎日。
 
そんなことを半年間続けたある日、旦那の方が家に帰って来なくなった。
 
妻は清々したと、旦那を探すようなことはしなかったのだった。
 
終わり。

■解説

旦那は農業で、妻はホステスである。
つまり、旦那は朝早く仕事に出て、夕方に帰ってきて夜には寝るという生活である。
逆に妻の方は夜に仕事に出て、朝に帰ってきて昼には寝るという生活のはずである。
ということは、2人は基本的に起きている時間が正反対になっている。
そう考えると、2人が長時間言い争いの喧嘩をするというのはおかしい。
夫婦はいったい、誰と喧嘩していたのだろうか。

 

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