ベランダ

意味が分かると怖い話

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■本編

一人暮らしの女の子は1階に住まない方がいいって親にしつこく言われてたから、今は3階に住んでいる。
 
少し古い家で駅から遠いけど、家賃が激安だから引っ越すつもりはない。
 
前に、1階に住んでいる友達がベランダに洗濯物を干してたら下着を盗まれたと言っていた。
だけど、私の家は3階だから洗濯物もベランダに干せる。
 
やっぱり、3階はいいね。
 
でも、そんなある日の深夜。
ベランダの窓をコツコツと叩くような音がして、目が覚めた。
 
まさか、誰かがベランダに侵入したんだろうか?
 
私はものすごく怖かったけど、確認しない方がもっと怖い。
台所の包丁を持って、私は恐る恐るカーテンを開けて、ベランダの方を覗いた。
 
そしたら、なんてことはなかった。
ベランダに干していた洗濯物のハンガーが風に揺られて窓に当たっていただけだったのだ。
 
なんだ。
そんなオチか。
 
私は安心して眠りについた。
 
それからというもの、風が強い日にはコンコンと窓を叩く音が響いても気にならなくなった。
 
そして、今日も寝ていると窓がコンコンと鳴った。
無視してると、音が止む。
それと同時に、私は眠りに落ちた。
 
次の日の朝。
ザーッという音で目が覚める。
 
雨だ。
 
私は慌てて飛び起きて、ベランダに出た。
 
でも、私は安心した。
そういえば、昨日は洗濯してなかったんだった。
 
終わり。

■解説

昨日は洗濯物を干していなかったということ。
ということは、昨夜のコンコンという窓を叩く音は一体、なんだったのだろうか。

 

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