本編
男は幼馴染の女のことがずっと好きだった。
女の方も男のことをまんざらでもないと思っていた。
男は将来、幼馴染と結婚するだろうと考えていた。
しかし、幼馴染の親が借金を背負うこととなった。
幼馴染は両親のため、ある資産家とお見合いをする。
相手は幼馴染のことを気に入り、あっさりと結婚が決まった。
男は自分が必死になって働いて、幼馴染の親の借金は返すから、見合いなんてするなと言えなかったことを後悔した。
そして結婚式の前日。
男は結婚式に行って、幼馴染の手を取り、駆け落ちしようかと迷う。
だが、なかなか決断ができなかった。
そのとき、男の元に、ある占い師がやってきた。
その占い師は、男に対して「選択した先の未来が見える水晶」を差し出してきた。
男は「駆け落ちしなかった」方を選択したときの幼馴染の10年後の未来の姿を見た。
男はその未来を見て驚いたが、決心がついた。
当日、男は結婚式に行き、幼馴染と駆け落ちする。
そしてそれから10年後。
男と幼馴染は貧乏な生活を続け、それにより喧嘩が絶えなかった。
幼馴染は男に愛想をつかして、男の元を出て行った。
残された男は、駆け落ちしてよかったと心から思った。
終わり。
■解説
男が見た、駆け落ちしなかった選択をした幼馴染の姿はとても幸せそうだった。
男は自分以外の男と、幼馴染が幸せになるのが許せなかったのである。