■本編
親が資産家の姉弟がいた。
弟の方は小さい頃から何不自由ない生活をしていたこともあり、良くも悪くも純粋に育った。
人を疑うことを知らず、相手を信じてしまうことで、今まで何度も騙されたことがある。
しかし、弟はそれにも懲りずに、またすぐに相手を信じてしまう。
そんなあるとき、弟が結婚を前提に付き合っている女性を家に連れてきた。
そして、そのまま婚約することになる。
姉は婚約祝いとして、弟に手作りのストラップをプレゼントした。
「この中には特別なお守りが入ってて、あなたをずっと守ってくれるの。肌身離さず持ってて」
弟は姉に言われた通り、そのストラップをいつも身の回りに置いていた。
だが、婚約者がそのストラップを見て、悲鳴を上げた。
婚約者がいうには、「呪いがかかっている」らしい。
婚約者はそのストラップを持ち、寺に持ち込んでお払いしてくると言って、出て行ってしまった。
そして、その次の日の夜。
婚約者は車の事故で死んでしまう。
その婚約者の手には、あのストラップが握られていたのだという。
終わり。
■解説
今回の話は2つのパターンが考えられる。
1つ目は婚約者のいうことが正しいパターン。
この場合は、姉が父親の遺産を多くもらうために、結婚前に弟を殺害しようと計画したということになる。
2つ目は姉のいうことが正しいパターン。
この場合は、婚約者が弟と結婚したのは遺産が目当てであり、結婚後に弟を殺そうと計画していたのかもしれない。
そのため、姉の用意したストラップの効果により、婚約者が消されたという可能性が高い
どちらにしても、婚約者はお寺にお払いするために持ち込んでいるはずなのに、事故の際にストラップを手に持っているのはおかしい。