学級閉鎖

意味が分かると怖い話

〈意味が分かると怖い話一覧へ〉

〈前の話へ:学級新聞〉  〈次の話へ:カエル〉

本編

最近、僕の学校では酷い風邪が流行っている。
結構、休む人も多くて、他のクラスだと学級閉鎖になったところもあった。
 
うちの学校はクラスの20%が休んだら学級閉鎖になる。
そして、僕のクラスは31人だ。
 
僕はよく友達の田口くんと、学級閉鎖になればいいのにと話している。
でも、僕のクラスはみんなあまり休まない。
 
今は佐藤くん、坂上さん、前園くん、矢代くんしか休んでいない。
もう少しで学級閉鎖になるのに。
最近はそう考えてばかりいる。
 
今日は佐藤くん、鹿島さん、木村さん、瀬川くん、本山さんがお休みだ。
もうちょっとだったのに、とガッカリしていたが今日から学級閉鎖になった。
 
よっしゃーと喜んでいたら、先生にこっぴどく叱られてしまった。
 
終わり。

■解説

最初、語り部のクラスは31人と話している。
その場合、20%なら6人が休まないと学級閉鎖にならない。
だが、5人が休んだタイミングで学級閉鎖になっている。
なぜか?
それはクラスの人数自体が減ったからだと考えられる。
クラスが29人であれば、5人で20%になる。
つまりこのクラスでは流行の風邪で2人のクラスメイトが亡くなっている。
そのため、学級閉鎖を喜んだ語り部が先生にこっぴどく叱られている。

 

〈意味が分かると怖い話一覧へ〉

〈前の話へ:学級新聞〉  〈次の話へ:カエル〉