■本編
テスト直前の教室内。
ギリギリまで教科書を必死で見ている生徒や、周りに勉強していないアピールをする生徒など、様々だ。
「私、全然勉強してない。どうしよう」
「私も。昨日、ずっとYouTube見ちゃった」
「部活の大会が近くてさー。練習ばっかで、勉強なんて無理だっての」
「俺は昨日、マック食い過ぎて腹壊してたんだよね」
「ヤバいなー。赤点取りそう」
「もうヤマ張るしかしなかったよ」
「私なんて、そもそもヤマ張ることもしてないよー」
必死に点数が悪かった時のために予防線を張る。
そして、テストが始まる。
教室はシーンと静まり返り、コツコツと回答を書く音だけが響いている。
しかし……。
突然、プーとおならの音が教室に響いた。
一気に、教室は笑いに包まれる。
テストが終わり、休み時間になった。
「ねえねえ、誰? テスト中におならしたの」
「笑ったよなー」
「緊張解けたよ。爆笑で」
「後ろからだよね?」
「いや、前じゃね?」
「左?」
「右かな?」
「誰誰? 屁した奴、手をあげろよ」
すると、一人の男子生徒がバンと机を叩いて、立ち上がった。
「おい、止めろよ! いいじゃん、誰がしたかなんてさ。くだらない。本人が一番恥ずかしいんだからさ。そんなんじゃ、誰もポテトフライを食べれなくなるだろ!」
教室内は静まり返る。
「そうだな。悪かった」
「なあ、みんな。もう屁の話はやめようぜ」
教室の生徒が全員、同意し、この話は終了した。
終わり。
■解説
みんなを説得した生徒は、なぜ、おならの原因が「ポテトフライ」だと知っていたのか。
それはおならをした本人だからである。
そして、最初に「マック」を食べ過ぎたと言っている生徒がいる。