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今、ぷっくりシールというのが人気らしい。
なんでも、私たちみたいな子供だけじゃなくて、お母さんたちにも人気だって聞いた。
前にニュースで、このぷっくりシールの転売とかが問題だってやってたのを見たことがある。
そのときは、そうなんだって思ったくらいだったけど、お店に行っても全然買えなかったから、やっぱり問題なんだって思った。
なんで大人ってこんなことをするんだろう?
シールなんて子供のおもちゃなのに、お金儲けにつかうなんてひどい。
私の友達も、全然買えなくて怒っていた。
私も同じ気持ちだ。
そんなとき、先生がこんなことを言ってくれた。
「シールが買えないなら、作ってみましょうか」
先生が言うには100円ショップで買えるもので、ぷっくりシールを作れるらしい。
それで図工の時間を使って、クラス全員でぷっくりシールを作ってみることになった。
さっそく、先生が言っていた材料をみんなで買いに行く。
なんだか遠足みたいで、楽しい。
先生はちょっと大変そうだったけど。
そして、楽しみの図工の時間になった。
最初は好きなものを作ろうって話だった。
けれど、クラスの中には、どんなシールを作っていいのかわからない人がいたから、自分をシールにすることになった。
先生が作り方を黒板に書いてくれたので、その通りで作っていく。
みんな、色々苦労しながらも、なんとか全員がシールを作ることができた。
それを一枚の大きな紙に貼っていく。
まるでクラス全員のシールが貼ってある、クラス写真みたいだ。
中には誰かわからないようなのもあるけどね。
でも、その下手さが、逆に味があるって先生が言ってた。
本当かな?
しばらくは後ろの壁に、その紙を貼っていた。
先生は思い出にって言って、何回も、写真に撮ってた。
そんなに出来はいいとは思えないけど。
でも、先生の気持ちもわかる。
なんか、クラスのみんなで作ったのって、なんか楽しかったし、みんなで頑張ったって感じがしたから。
また、こういうのをやりたいなって思う。
そのぷっくりシールを作ってから、大体3ヶ月くらいしてからだった。
あるとき、木村くんがシールを見て、怒りだした。
「おい! 誰だよ、こんなことしたの!」
見てみると、木村くんのシールの右腕の部分が潰れていた。
ぷっくりシールが、腕の部分が割れてしぼんだみたいな感じになっている。
先生は「きっと劣化したんだよ。大丈夫。気にしないで」と言って、木村くんをなだめていた。
でも、その次の日。
木村くんは家で、階段から落ちて腕の骨を折った。
折れたのは右腕だった。
先生はしきりに「偶然だよ、偶然」って言ってた。
だけど、今度は美紀ちゃんのシールの胸のところが黒ずんでいたのが見つかった。
その数日後。
美紀ちゃんは肺炎で入院した。
今も学校に来れていない。
それからは、こういうことが続いた。
御崎くんは左足をねん挫、近藤さんは歯が折れた、真くんは盲腸、隆くんは高熱。
とにかく、シールで異常があった場所に、何かがあるというのが続いた。
いくら先生が偶然だって言っても、ここまで続けば、呪いだって話にもなってくる。
そこでシールを張った紙を剥がそうという話になった。
誰も反対する人はいなかった。
先生だけは最後まで寂しそうな顔をしていたけど。
そして、みんなで紙を剥がそうとしたときだった。
ポトって、誰かのシールが剥がれて落ちた。
それは、私のシールだった。
え? って思って、慌ててそのシールを拾おうとしたけど、どこにも見当たらない。
クラスのみんなで一緒に探してくれたんだけど、私のシールが無くなってしまったのだ。
そんなわけない。
だって、今、落ちたばっかりで、それを私は見ていた。
それなのに、どんなに探しても見つからない。
誰かのイタズラかと思ったけど、誰も拾ったところを見ていない。
真奈美ちゃんが言うには「スッと透けるように無くなった」らしい。
あれから3日、私は部屋から一歩も出ていない。
もちろん、学校も休んでいる。
お母さんがドアを叩いて「明日は病院に行こう」と言ってきた。
でも、私は知っている。
さっきから、自分の足の感覚がなくなってきてるの。
膝から下が、まるで最初から存在しなかったみたいに。
腕が潰れれば、骨が折れる。
胸が汚れれば、病気になる。
じゃあ、シールそのものが消えた私は、どうなるの?
お願い。誰か教えて。

