■本編
男は5歳の頃、隣に住む画家に似顔絵を描いてもらった。
だが、その当時、男は出来上がった似顔絵に対して、「こんな変な顔じゃない!」と怒った。
それから30年後。
事故で入院していた男が、療養のため実家へと戻った。
しばらくは安静にしていることと、医者に言われたが暇でどうしようもなかった。
そこで男は家の裏にある倉庫を片付けることにした。
すると、30年前に描いてもらった似顔絵が出てきた。
あのときは気に食わなかったが、自分の顔と言われた絵を捨てる気にはなれず、取っておいたのだ。
どんな絵だったかと、男は久しぶりに似顔絵を見た。
そして、男は愕然とした。
終わり。
■解説
画家が描いたのは男の『未来の似顔絵』。
そして、その似顔絵を見て、当時の男は激怒したが、30年後に見た男は愕然としている。
つまり、その似顔絵には事故で傷付いた自分の顔が描かれていた。