■本編
電化製品にリサイクル料が発生するようになってから、その山に不法廃棄をする人間が増えてきた。
捨てられるものは冷蔵庫や洗濯機などの大型なものから、時計やミキサーなどの小型なものまで様々だ。
だが、こんな不法地帯にも、暗黙のルールがある。
それは機械類以外を捨てないということだ。
つまり生ごみやプラスチック、木材などの機械ではないものを捨ててはいけないというルールである。
このルールがいつできたかはわからないが、この場所を知っている人間は絶対的な暗黙のルールとして厳守してきた。
そして、そのルールをいまだに破った人間はいなかった。
しかし、そんなある日、ある男が深夜にこっそりとやってきて、この場所に冷蔵庫を捨て、逃げるようにして帰っていった。
数日後、男は変死体として発見された。
その男の胸には大きく、罰という文字が刻まれていたのだった。
終わり。
■解説
男が捨てた冷蔵庫の中に、機械ではないものが入っていたため、見せしめとして殺されてしまった。
男は深夜にこそこそと捨てたところから、冷蔵庫に入っていたのは死体なのかもしれない。