【洒落怖】不気味な犬の散歩

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おばあちゃんはゴンっていう犬を飼っている。
柴犬で、人懐っこくて可愛い。

僕にもよく懐いていて、おばあちゃんの家に遊びに行ったら、ゴンがこっちに走って来て、僕の顔を舐めてくれる。
だから僕もゴンが大好きで、小学校のときはよくゴンを散歩に連れていった。

だけど中学に上がる頃にはあまりおばあちゃん家に行くこともなくなり、自然とゴンと会うこともなくなった。
さらに大学は地元から出たところに行ったから、4年以上、おばあちゃんに会わなかった。
もちろん、ゴンにも。

大学を卒業後に就職したけど、そこがブラック会社だったため、僕は3年で体を壊して実家に戻ることになった。
そこから半年くらいは体を休む名目でニートをやっていた。

最初は自由な時間を楽しんでいたけど、次第に暇を持て余すようになった。

そして、その頃には親から就職しろという圧力が強くなっていく。
その圧から逃げるように、僕はおばあちゃんの家に入り浸るようになった。
おばあちゃんの家にはゴンもいるし、居心地がよかった。

あるとき、おばあちゃんの家でゴロゴロしていたら、ゴンの散歩をしてくれないかとお願いされた。
暇だったし、歩くのも好きだし、なによりゴンの散歩は懐かしかったから、僕はもちろん引き受けることにした。

10年以上ぶりのゴンの散歩。
ゴンを連れて歩いていると、小学校の頃のことを思い出す。

あの頃は楽しかったなぁ、なんてことを考えていたら、急にゴンがグイグイと山奥の方へと進んでいく。
時間もあるし、ゴンの行きたいところに行かせることにした。

そしたらドンドン人気のないところへと入っていく。

こんな場所もあるんだ、なんて思って歩いていると、ふとゴンが立ち止まって穴を掘り始めた。

最初はトイレでするのかと思ったけど、違った。
なんかを必死に掘り返してる。

何か埋まってるのかなって思って見てたら、本当に何かが出てきた。

それは白い、プラスチックのようなものだった。
なんだろうと見ていたら、ゴンがドンドンと掘り返していく。

そして僕はそれが何なのかわかった瞬間、血の気が引いた。

骨だった。

なんでかわからないけど、そのとき、僕は直感で『人間の骨』だとわかった。
警察に電話したら、すぐに来てくれた。

そこからはもう大騒ぎだった。
僕の思った通り、人間の骨で、警察の人たちによって全て掘り返されていった。

僕は警察で事情聴取を受けた。
最初は犬が掘り当てたって言ったら、少し疑われたけど、犬ならあり得るかという話になった。

警察の人からは、「お手柄? いや、災難だったかな?」と苦笑いされた。

僕としては完全に災難だった。
いくら暇だからといって、事情聴取は受けたいと思わない。

でも、おばあちゃんからは「お手柄だったね」なんて言われた。

そこで終わったら、ちょっとした小話で済んだ。

だけど、ここでは終わらなかった。
というより、これが始まりだった。

大体、1週間に1回くらい、おばあちゃんにゴンの散歩を頼まれる。
で、僕はゴンと散歩に行くんだけど、そのたびにゴンが『人間の骨』を見つけるのだ。

それが5回続いた。

どう考えてもおかしい。
この町にそんなに死体が埋まってるなんてあり得るんだろうか。

警察の人の話では、墓地があった場所だったらしい。

それでも、これだけ続くと警察の人の表情もダンダンと怪訝になっていく。

僕だって好きで見つけてるわけじゃない。
ゴンが勝手に見つけてくるだけだ。

何回か通報しないで放置しようかとも考えたけど、罪悪感が勝って結局連絡していた。

そして、とどめになったのは『死体』を見つけたことだった。

真新しい死体。

それを見たとき、僕はその場で吐いた。

さすがに警察から取り調べをかなりの長時間受けた。

結局、その人とは何の関係もなかったし、死亡推定時刻のアリバイもあったから何とか無事に解放された。

当然だけど、それからはおばあちゃんの家には行ってない。
時々、おばあちゃんから「ゴンちゃんが、まだ行きたい場所があるみたいなんだけど」と電話が来るけど、濁している。

犬の鼻は利くとか聞くけど、ここまで連続で人間の骨を見つけられるものなんだろうか。

おばあちゃんには悪いけど、僕はもう、ゴンに会うのが怖い。