裏アカウント

意味が分かると怖い話

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本編

高校生にもなればスマホを持ってない奴の方が少ない。
そうなると、当然、みんなSNSをやっている。
 
確かに楽しいのだけど、家にいるときでも友達に気を遣うのは疲れる。
だから、俺はみんなにはSNSをやっていないと言っている。
 
そして俺は裏アカウントを作って、そこで自由に投稿しているのだ。
 
顔見知りの奴を絶対にフォローしないし、別にフォロワーが多いわけじゃないから俺のアカウントを見つけることはできないだろう。
 
誰にも気にしなくていいから、裏アカウントは本当に気軽だ。
日々の愚痴も投稿している。
 
最近はTの悪口を書きまくってる。
 
学校だと仲良くしてるから、本人が知ったらビビるだろう。
 
とはいえ、悪口だけじゃなくて、ちゃんと日常のことだって投稿する。
 
今日もクラスの友達と一緒に写メを撮ったから、それを投稿するつもりだ。
 
だけど、そのときTが「それはSNSにアップするなよ。制服で学校バレるから」と注意してくれた。
 
危なかった。
今度からは気を付けよう。

終わり。

■解説

語り部は周りにSNSをやっていないと言っている。
なのに、なぜTは「それはアップするな」と言ったのか。
Tは語り部の裏アカウントのことを知っている可能性が高い。