寝ずの番

意味が分かると怖い話

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本編

村には寝ずの番という風習がある。
 
お通夜から葬儀まで、線香を絶やさないやつ。
普通は亡くなった人の身内でやるものだけど、俺の村では違う。
 
担当になったら一人でやるのだ。
 
知らない人の遺体と一晩中一緒。
さらに鍵をかけられ、時間まで誰も入って来れない。
 
遺体と一緒なのは慣れた。
けど、昨日はゲームで徹夜したから眠気がピークだ。
 
少し寝よう。
 
線香は1本、30分はもつから、4本火をつければ2時間寝られる。
 
線香に火をつけて、アラームをセットして寝る。
 
2時間後。
アラームで起きたら、線香は燃え尽きてない。
 
よし、計算通りだ。
 
終わり。

■解説

4本同時に火をつけると、すべて30分後に燃え尽きるはずである。
遺体が線香を立てていたのかもしれない。