本編
暑い夏の日。
俺はひとりで廃病院に肝試しに来ていた。
俺以外には誰もいない。
さっそく建物に入ろうとしたときだった。
急に中から女の声が聞こえる。
助けて
見上げると、3階の窓に人影があるのが見えた。
部屋に着くと、腹にナイフが刺さった男が蹲っている。
駆け寄ると、その人は気を失っていた。
刺した人間がまだいるのではないかと周りを見渡す。
すると、窓が割れているのに気づく。
犯人は外に逃げたのだろう。
俺はすぐに救急車を呼んだ。
終わり。
■解説
助けてという声は女で、3階にいたはずである。
窓から外に出たとは考えづらい。
つまり、男は女を突き落とした際に、女にナイフで刺されたのである。