意味が分かると怖い話 解説付き Part261~270

意味が分かると怖い話

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学級新聞

俺は山奥の、電車もない田舎に住んでいた。
そんな田舎にある学校だから、クラスの人数もかなり少なかった。
そのせいか、クラスのやつらとは物凄く仲が良くて、下手をしたら家族以上の存在だ。
 
何をするにも一緒にやった。
祭りも、学校祭も、運動会も全部がクラス一丸となって頑張った。
田舎で何もないところだけど、クラスのやつらがいればそれだけで楽しかった。
 
でも、親の都合で引っ越すことになってしまった。
クラスのみんなは、都会に引っ越す俺に羨ましいと言っていた。
 
多分、あれは俺への励ましだったと思う。
正直、俺としては都会なんかにいかなくても、田舎でずっとクラスのやつらとバカやってるほうがずっと楽しい。
 
だけど、俺のそんな個人的な気持ちのせいで、親に引っ越したくないなんて言えるわけがなかった。
 
そして、ついに引っ越す当日。
みんなは授業をサボって、全員で俺の見送りをしてくれた。
さらに、学級委員長が俺に一枚の紙を手渡してきた。
 
学級新聞。
 
その週でクラスでの出来事を記事として書くというものだ。
どうやら俺のために作ってくれたらしい。
学級委員長は俺が引っ越した後、この学級新聞を作って送ってくれると言ってくれた。
 
すごく嬉しかった。
引っ越して、みんなと会えなくなっても学級新聞を読めばみんなのことがわかる。
まだ繋がっていられると思えた。
 
約束通り、委員長から毎週、学級新聞が届く。
みんなのことが書かれている。
俺はこの新聞を読むのが毎週の楽しみになっていた。
 
そんな中、新聞の記事の中にクラスメイトのおじいちゃんが事故で亡くなったことが書かれていた。
その人には俺もお世話になったから、落ち込んだりした。
 
それから数日後。
母親からクラスメイトのおじいちゃんが亡くなったと電話があったと聞いた。
お葬式にはいけないけど、電報は打つと言っていた。
 
やっぱり本当だったんだと思うと、なんだか気分が落ち込んだ。
 
そして、こういう不幸というのは続くものと良く言われている。
なんと、今度はクラスメイトが電車に轢かれて死んだと書かれていた。
 
気になったのは、名前が書いてなかったことと、今回で学級新聞が終わりだと書いてあったことだ。
 
なんでだろう?
 
それはともかく、今度こそはちゃんとお葬式に出たいとお母さんに言うつもりだ。
死んだやつには悪いが、葬式でみんなに会えるのは少し楽しみだ。
 
終わり。

解説

クラスメイトの祖父が死んだことに対して、電話よりも先に学級新聞で届く方がおかしい。
もしかすると、その学級新聞は未来のことが書かれているのではないだろうか。
そして、なぜ、今回で学級新聞が終わりになるのか?
それはもう学級新聞を出す意味がなくなるからである。
亡くなったクラスメイトは『電車に轢かれて』と書かれている。
しかし、語り部が元いた田舎は『電車もない』はずである。
つまり、電車に轢かれて死んでしまうのは語り部ということになる。

 

学級閉鎖

最近、僕の学校では酷い風邪が流行っている。
結構、休む人も多くて、他のクラスだと学級閉鎖になったところもあった。
 
うちの学校はクラスの20%が休んだら学級閉鎖になる。
そして、僕のクラスは31人だ。
 
僕はよく友達の田口くんと、学級閉鎖になればいいのにと話している。
でも、僕のクラスはみんなあまり休まない。
 
今は佐藤くん、坂上さん、前園くん、矢代くんしか休んでいない。
もう少しで学級閉鎖になるのに。
最近はそう考えてばかりいる。
 
今日は佐藤くん、鹿島さん、木村さん、瀬川くん、本山さんがお休みだ。
もうちょっとだったのに、とガッカリしていたが今日から学級閉鎖になった。
 
よっしゃーと喜んでいたら、先生にこっぴどく叱られてしまった。
 
終わり。

解説

最初、語り部のクラスは31人と話している。
その場合、20%なら6人が休まないと学級閉鎖にならない。
だが、5人が休んだタイミングで学級閉鎖になっている。
なぜか?
それはクラスの人数自体が減ったからだと考えられる。
クラスが29人であれば、5人で20%になる。
つまりこのクラスでは流行の風邪で2人のクラスメイトが亡くなっている。
そのため、学級閉鎖を喜んだ語り部が先生にこっぴどく叱られている。

 

カエル

今年の、学校の自由研究はカエルの観察日記にしようと思って、僕は3月くらいに池でカエルの卵を取っておいた。
バケツに入れて、家の物置の中に入れておいたのだ。
 
だけど、そのことをすっかり忘れてしまった。
夏休みが始まって、毎日を遊んで過ごしていた。
 
そして、8月の終わり頃。
僕は夏休みの宿題を全然やってなくて、慌ててやり始めた。
 
で、僕はカエルの卵のことを思い出した。
 
急いで物置の中を見る。
バケツの中でオタマジャクシがスイスイと泳いでいた。
よかった。
これでなんとかカエルの観察ができそうだ。
 
終わり。

解説

オタマジャクシの時期は1ヶ月~2ヶ月までである。
3月に卵を取ってきたのに、8月でもオタマジャクシなのはおかしい。
また、5ヶ月も放置していたのに生きていることもおかしい。
もしかすると、語り部が取ってきたのは普通のカエルではないのかもしれない。

 

多数決

多数決。
 
それはよく、民主主義として、合理的な方法として好まれて使われる採決方法だ。
 
人数が多い方の意見を優先するという方法。
だけど、それは逆に言うと少数意見を黙殺することを意味する。
 
そして、俺はよく人から変わった考えだと言われる。
それはつまり少数派ということだ。
 
だから、俺はこの多数決においては俺の意見が採用されたことは一度もない。
俺の意見はずっと黙殺され続けてきた。
 
それはある意味しかたないと思っていた。
 
だが、そんなある日。
俺はある場所に招集された。
 
なんでも重要なルールを決める場なのだとか。
そして、そのルールというのは参加者の意見によって決められるのだという。
 
その採決方法とはやはり多数決だった。
 
今回は俺の命に係わることだから、諦めるわけにはいかない。
でも、俺の意見は全くと言っていいほど聞いてくれない。
というより、誰一人として同じ意見のやつがいなかった。
 
採決日は5日後。
俺はなんとかみんなの同意を得ようと右往左往した。
粘り強く説得もした。
だが、誰も俺の意見なんかに賛成してくれない。
 
それでも俺は諦めるわけにはいかなかった。
 
5日後。
採決が行われた。
 
そして、俺の意見が採用された。
 
終わり。

解説

採決の方法は多数決。
つまり語り部の意見が一番多くなればいい。
語り部は他の参加者を皆殺しにした。

 

インスタ映え

最近は写真一つ撮るにしても映えを考えないといけない。
ただ、写真を撮ってアップするだけじゃ、全然いいねが付かないのだ。
 
外で何か食べるときもそう。
美味しそうとか、何が食べたいかじゃなくて、映える料理かどうかで店を決める。
本当に食べたいものがあるときは、一人でこっそりと行く。
その時は写真を撮らない。
 
じゃないと、そういう店にも行ってると思われるからだ。
 
人の注目を集めるためには、アカウント全体をプロデュースしないといけない。
発信する写真は全部、映えてないとダメなのだ。
一回でも変な写真をアップしようものなら、フォロワーが減ってしまったりする。
 
そして、ただ単に映えるってだけで綺麗なものや可愛い物ばかりだと飽きられてしまう。
だから、たまにはちょっと、ドキッとするような写真が必要だ。
 
中にはちょっとエッチなものをアップする人がいるけど、それをやってしまうと女性からは嫌われる。
なので、私の場合は、人にお見せできるプロポーションでもないので別方向でアプローチしないとならない。
 
じゃあどうするかというと、ちょっと危険な場所に行って撮影するのだ。
 
凄い高いところとか、そういう危険な場所。
時々、そういうのをアップすると、フォロワーが増えるのだ。
 
でも、まあ、同じことを考える人もいるので、その中でどれだけ危険な場所を探すか勝負にもなったりしている。
 
中にはその写真を撮るために迷惑行為をしている人も多いと聞いた。
でも、私は、それはダメだと思う。
フェアじゃないし、人に迷惑をかけてまで撮ることじゃないと思うからだ。
 
だから私はいつも人に迷惑がかからなさそうな場所を探して写真を撮っている。
で、それに欠かせないのが自撮り棒だ。
友達に付き合ってもらうわけにもいかないし、お友達も同じ風景を撮ったら、オリジナリティがなくなってしまう。
 
そういうことがあり、私はいつでもそういう場所を探して色々な場所へと行っている。
なので、いつも自撮り棒を持ち歩いているのだ。
 
今日も電車に乗っていると、遠くに凄い崖が見えた。
さっそく、電車を降りて、その崖へと向かう。
 
さすがにこんなところは誰も見つけてないだろう。
調べてみたけど、ここの風景の写真はアップされていなかった。
 
私はそう確信して、自撮り棒を手に、崖のギリギリまで進む。
そして、自撮り棒にスマホをセットして写真を写す。
 
と、そのとき、足元に自撮り棒が捨ててあるのを見つけた。
スマホまで付いてる。
こんなところに捨ててくなんて。
 
もう、なんでこんなマナー違反するかな。
 
私は仕方なく、拾っておくことにした。
 
終わり。

解説

自撮り棒だけならまだしも、スマホがついているのはおかしい。
自撮りを撮るくらいなのだから、すぐに写りを確認するはずである。
では、なぜ、スマホが付いたままで自撮り棒が落ちているのか。
この自撮り棒の持ち主は崖から落ちてしまった可能性が高い。

 

サファリパーク

その保育園は、料金はかなり高いが保育士がしっかりしていて、子供たちにも色々な体験をさせてくれるということでとても人気だった。
 
ちゃんと世話をできる人数しか預からないということもあり、競争率は高いが親も安心して子供を預けられる。
 
そんなあるとき、夏休みということもあり、その保育所では子供たちにサファリパーク体験をすることにした。
親たちにも了承を得ることができた子供たちをサファリパークへと連れて行く。
 
連れてきた子供は全員で9人。
さっそく5人乗りの車に子供たちを乗せて出発する。
 
中には間近で動物を見て怖がって泣く子もいたが、大半の子供は大いに喜んだ。
怖い思いをしたとしても、それはきっとこの先の経験として役立つだろうと、保育士は考えていた。
 
そして、それは3組目のときに起こった。
肉食獣エリアで、車がパンクしてしまったのだ。
 
立ち往生していると、虎が車の窓を突き破り、子供を一人浚っていってしまった。
保育士は自分の身の危険を顧みず、虎へと立ち向かい、なんとか子供を助け出した。
 
奇跡的に、その子供は傷一つ追うことはなかった。
9人全員の子供を両親のもとに帰すことができて、ホッとする保育士。
 
次の日。
そのサファリパークの子供を浚った虎が殺処分されたとニュースが流れた。
 
終わり。

解説

子供が9人で、5人乗りの車である場合、保育士が1人であった場合は2回で回ることができる。
だが、今回は3組目ということで、3回回ったことになる。
ということは、保育士は1人ではなく、2人ついていたということになる。
そして、『子供たちは無事』だったが、保育士も無事だとは書いていない。
次の日、虎が殺処分されたということは、もう一人の方の保育士は子供を助けようとして犠牲になったのかもしれない。

 

疑惑のテレビ局

男はあるテレビ局を恨んでいた。
 
お店の経営者だった男は、ある日、テレビ局が取材させてほしいと言われ、宣伝になると大喜びしていた。
だが、そのテレビ局は男のお店が杜撰な経営をしているという方向で番組を制作したのだ。
 
それは全くの嘘ででっち上げだったのだが、テレビの影響力は凄まじく、いくら誤解だと説明したところで、男の店の信用は回復することはなかった。
 
男のお店は倒産し、一家離散となってしまう。
 
それからというもの、男はこのテレビ局を恨み、色々と調べる。
すると、このテレビ局は他にも色々と虚偽の内容を放送していることがわかった。
 
何もかもが信用できない、嘘だらけのテレビ局。
それをどんなメディアに訴えたところで、どこも取り上げてはくれない。
 
そこで男は自分の命を張ってテレビ局を潰そうと画策した。
 
生放送。
 
その番組内に乱入し、自殺を図るというものである。
死ぬ前に声明文を画面に映し、そして自殺する。
そうすれば、さすがに世間はこのテレビ局の内情に目を向けるだろう。
 
そして、男はそれを決行する。
生放送と言われている番組内に乱入し、テレビ画面に声明文を映した後、銃で自殺を図った。
 
男は死ぬ間際、カメラが回っていることを確認し、満足そうに笑みを浮かべて死んだ。
 
翌日。
テレビ局は何事もなく、生放送番組が放送された。
 
終わり。

解説

男が恨んでいたテレビ局は何もかもが嘘にまみれていた。
つまり、男が自殺して見せた番組も、生放送ではなかったということになる。
その証拠に、男が死んだ後に、生放送番組は『放送』されている。
男の自殺した部分はカットされ、普通に放送された。

 

宅配バイト

俺は今、宅配の配達員のバイトをやっている。
少し前に爆発的に流行ったあれだ。
 
配達員のバイトのいいところは空き時間にできるというところだ。
あとは自転車に乗るのも好きということもあり、まさにうってつけのバイトだった。
 
その日も友達との約束がキャンセルになったから、バイトをすることにした。
 
届ける場所はあるマンションの3階、一番端にある部屋だ。
 
届けるのは親子丼を2つ。
チャイムを押すと、綺麗な女性が出てきた。
ドキッとしながらも、俺はその人に親子丼を渡して帰った。
 
別に何かあるわけじゃないが、こういうことがあるとちょっと嬉しい。
あとで見てみると評価もよいにつけてくれていた。
 
それから、週に1度くらい配達が入った。
いつものあの部屋。
 
渡して、ありがとうと言われるだけ。
番号を交換したり、会話をしたりなんてことはない。
まあ、変な期待をしてトラブルになっても困る。
 
そんなあるとき、いつも通り、空き時間に配達のバイトを入れる。
今回は牛丼の注文で、場所はあのマンションだった。
 
マンションの前に到着すると、パトカーと救急車が止まっていた。
なんかあったのかと思いながら、3階へと登っていく。
注文のあった、一番端の部屋のインターフォンを押す。
すると、30代の男性が出てきた。
 
その男性に牛丼を渡すと、なんで警察が来てるのかを話してくれた。
 
「逆側の端の部屋なんだけどさ。おばあちゃんが孤独死してたみたいなんだよ。死後、3ヶ月以上経ってたみたいだよ」
 
話好きな人だったのか、10分くらい雑談に付き合わされてしまった。
どうせなら、あの女の人と雑談したかったな、と思ってその日は帰った。
 
だけど、あれから一度もあの部屋から配達依頼はなかった。
 
終わり。

解説

最後に配達した男の部屋は、いつも配達していた女がいたマンションと同じである。
そして、3階というのも同じ。
さらに、『逆側の端』ということは、孤独死が見つかった部屋は、いつも語り部が配達していた部屋ということになる。
では、孤独死していた老婆の部屋にいた女性は一体、何者なのだろうか。

 

フランケンシュタイン

彼女は人造人間、つまりはホムンクルスだった。
 
彼女を作り出したのは高名な画家であった。
その画家が愛した女性が病によって亡くなったことをきっかけに、錬金術の研究に没頭し、そして、彼女を作り上げることに成功する。
 
彼女は画家が愛した女性の遺体を使って作られた。
 
しかし、その体は次第に体が腐っていく。
 
画家は腐った部分の体を新鮮なものと入れ替えるため、若い女を殺していた。
次第に彼女の体は継ぎ接ぎだらけとなっていく。
 
もはや、彼女には画家が愛した女性の原型など残っていない。
 
それでも画家は彼女を愛していた。
見た目など関係なく、彼女を心から愛している。
 
しかし、彼女の方は不安で心を病んでいく。
継ぎ接ぎだらけの自分はいつか、画家に捨てられるのではないかと。
画家と比べて、自分は醜くなっていくことに恐怖し続けていた。
 
だから、彼女は願った。
画家と同じような姿になれるように。
 
そんなある日。
彼女の願いは叶った。
 
終わり。

解説

ホムンクルスの彼女は、画家と同じような姿になることを願っていた。
しかし、普通の人間のように継ぎ接ぎを消せる可能性は低い。
なぜなら、画家が長年研究しても、成し遂げられなかったのだから。
では、どのように彼女と画家が同じような姿になったのか。
それは画家が継ぎ接ぎだらけの体になったということである。
彼女は画家を殺し、自分と同じような体に作り上げた可能性が高い。

 

拉致監禁

長年不景気が続いているせいか、最近、やたらと物騒な事件が続いている。
窃盗、強盗、殺人。
あげればキリがないくらい、連日、事件の放送が流れている。
 
だけど、俺にとってそれはテレビの中の話で、実際に自分の身に起きるなんてことは考えもしなかった。
 
ある日、友達と買い物のために2人で歩いていたところ、突然、覆面を被った男が襲い掛かってきて、友人をスタンガンで気絶させた。
焦る俺は何もできず、立ちすくんでいると、覆面の男は俺にもスタンガンを当ててきた。
 
気が付くと、窓もなにもない、倉庫のような部屋に押し込められていた。
部屋の中には友達と2人。
 
別に縛られてはいないが、ドアには鍵がかかっているので外には出られない。
 
スマホを出してみたが、スタンガンのショックのせいか壊れていた。
 
「お前のも壊れた? 俺のもだ」
 
そう言って友達もスマホを出す。
 
「まあ、壊れてなかったら外に連絡もできるし、残してあるってことはそういうことだよな」
 
友人が溜息を吐く。
 
「……やっぱ、俺を狙ったのかな?」
 
俺がそう言うと友達は苦笑いする。
 
「お前んち、金持ちだもんな」
「けど、本当に狙われるとは思わなかった」
「拉致監禁なんて、普通は想像できないもんな」
「ああ」
 
そのとき、俺の腹がグーと鳴った。
そういえば、朝から何も食べてなかった。
 
今が何時かわからないが、ものすごく腹が減っている。
 
「何か食べるものでも持ってきてくれないかな」
 
緊張感がないと思うかもしれないが、それくらい腹が減っていた。
 
「誘拐ってことは殺す気はないってことだろ。たぶん、飯くらいは出してもらえると思うけどな」
「……リクエストとか聞いてくれるかな?」
「お前、緊張感なさすぎ」
 
思わず友達が噴き出した。
 
「……身代金が目的ってことでいいんだよな?」
「たぶん」
「なんか変な国に売り飛ばされたりはしないよな?」
「それなら、もっと違う人間を狙うだろ」
「そうかな?」
「どっちにしても、もうすぐ24時間経つ。そろそろ警察だって本腰で捜査を始めるさ」
「そ、そうだよな」
「だから俺たちは大人しくしてた方がいいと思うぞ」
「そうだな」
 
俺は友達の言う通り、ただひたすら静かに待ち続けることにした。
 
終わり。

解説

なぜ、友人はもうすぐ24時間が経つことを知っているのか?
語り部は時間がわからないと言っているので、その部屋には時計がないはずである。
もしかすると、友達は誘拐犯の一味なのかもしれない。

 

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