本編
その主婦は料理が下手だった。
だが、決して料理は買ってきたものを出すわけではなく、ヘタなりにも全て手作りしている。
その料理は簡素なものばかりであったが、夫はいつも感謝して料理を食べていた。
そんなある日。
料理の一品にあるものが添えられていた。
それはもみじおろしだった。
夫は珍しく買ってきたんだなと思いつつ、もみじおろしを食べる。
だが、そのもみじおろしは全く辛くなかった。
終わり。
■解説
それはもみじおろしではなく、大根おろしに血が混じったものだった。
料理が下手で、自分の指をすりおろしてしまい、血が出てしまった。