本編
学校はイライラする。
学校の奴らは俺を厄介者としか見ない。
だから、そんなときはあんぱんだ。
あんぱんは俺の大好物。
あんぱんがあれば、どんなことにも耐えられる。
イラついた時も我慢できる。
だけど、いきなり、変な奴がやってきて、あんぱんを取り上げられた。
なんか、身体に悪いって。
最初は凄くイラついたけど、俺のことをこんなに心配してくれる奴は初めてだ。
だから、あんぱんは我慢することにした。
そしたら、今まであった怠さも取れた。
気分もよくなった。
脳だって回復した。
もう病院にだって通う必要はない。
これからは俺は普通の人間として暮らしていけるのだ。
終わり。
■解説
語り部が言っているあんぱんというのは、シンナーのことである。
シンナーは脳を委縮させ、幻覚を見せることもある。
そして、一度、シンナーで脳が委縮すると回復することはない。
回復したというのは、語り部が見ている幻覚なのかもしれない。