地下室

意味が分かると怖い話

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■本編

男は郊外に中古の家を購入した。
 
新築だったのに、随分と安く買えて、男は満足していた。
 
しかし、その家に引っ越してきて1ヶ月間、男はあることに悩まされていた。
それは家にある地下室から、何かが壁を引っ掻くような音がすることだ。
 
地下室は窓もなく、完全な密室なので誰も入れないはず。
 
男は確認しに行こうとしたが、どうしても怖くて決心がつかなかった。
 
そして、新築なのに安く買えたのはこういうことだったのかと思い、酷く後悔する。
 
引っ越して、この家を売りに出そうかとも思ったが、地下からの音以外は快適に暮らせているので、手放したくない。
 
そこで男は意を決して、地下室を見に行くことにした。
その日は酒を飲んで、気が大きくなっていたこともあり、男は夜中に地下室のドアを開いた。
 
すると、そこには一匹の猫がいた。
 
なんだ。
迷い猫か。
 
男は安堵し、同時に、ずっとビクビクしていたことが情けなくなった。
 
男は猫を逃がし、久しぶりにゆっくりと眠ったのだった。
 
終わり。

■解説

地下室は窓もなく密室なので、猫も入って来れないはずである。
そして、音は1ヶ月以上続いている。
餌も水もない状態で猫が1ヶ月生きられるわけがない。
もしかすると、その猫は普通の猫ではなく、猫の幽霊なのかもしれない。

 

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