本編
男はトラックの運転手をしている。
だが、男の運転は荒く、以前、人身事故を起こしてしまった。
幸い、轢いた相手は一命を取り留めたが、今でも障害が残っている。
そのときの賠償金を未だに払い続けている状態である。
それなのに、男の運転の粗さは変わらなかった。
周りからは、またいつ事故を起こしてもおかしくないと噂されているくらいだ。
そして、案の定、男は再び人身事故を起こしてしまった。
今度の相手は即死だ。
道路にはブレーキ痕がなく、男は警察に「ブレーキとアクセルを踏み違えた」と供述した。
男は刑務所にはいることになったが、死んでよかったと胸を撫で下ろしたのだった。
終わり。
■解説
事故を起こした際、相手が生きてる場合と死んでる場合では、生きているときの方が賠償金が多額になるケースが多い。
男は再び莫大な賠償金を払うくらいならと、わざとアクセルを踏んだ可能性が高い。