サファリパーク

意味が分かると怖い話

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本編

その保育園は、料金はかなり高いが保育士がしっかりしていて、子供たちにも色々な体験をさせてくれるということでとても人気だった。
 
ちゃんと世話をできる人数しか預からないということもあり、競争率は高いが親も安心して子供を預けられる。
 
そんなあるとき、夏休みということもあり、その保育所では子供たちにサファリパーク体験をすることにした。
親たちにも了承を得ることができた子供たちをサファリパークへと連れて行く。
 
連れてきた子供は全員で9人。
さっそく5人乗りの車に子供たちを乗せて出発する。
 
中には間近で動物を見て怖がって泣く子もいたが、大半の子供は大いに喜んだ。
怖い思いをしたとしても、それはきっとこの先の経験として役立つだろうと、保育士は考えていた。
 
そして、それは3組目のときに起こった。
肉食獣エリアで、車がパンクしてしまったのだ。
 
立ち往生していると、虎が車の窓を突き破り、子供を一人浚っていってしまった。
保育士は自分の身の危険を顧みず、虎へと立ち向かい、なんとか子供を助け出した。
 
奇跡的に、その子供は傷一つ追うことはなかった。
9人全員の子供を両親のもとに帰すことができて、ホッとする保育士。
 
次の日。
そのサファリパークの子供を浚った虎が殺処分されたとニュースが流れた。
 
終わり。

■解説

子供が9人で、5人乗りの車である場合、保育士が1人であった場合は2回で回ることができる。
だが、今回は3組目ということで、3回回ったことになる。
ということは、保育士は1人ではなく、2人ついていたということになる。
そして、『子供たちは無事』だったが、保育士も無事だとは書いていない。
次の日、虎が殺処分されたということは、もう一人の方の保育士は子供を助けようとして犠牲になったのかもしれない。

 

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