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昔さ、よくテレビ番組とかでUFOに連れ去られたとかって話があったじゃない?
ドキュメントとかじゃなくても、映画とかドラマとかでも、鉄板かってくらいあったよね。
そういうのがブームっていうのもあったかもしれない。
でも、今はそういう話って全然聞かなくなったって思わない?
ブームじゃないからって言われれば、そうかもしれないね。
それに今のご時世は現実主義っていうか、宇宙人系はあまり流行らないからからもしれない。
昔はあれだけあった、心霊写真とかも、今は全然見なくなったもんね。
心霊写真に関しては、今のカメラは性能が良くなり過ぎたせいで、『心霊写真っぽい』ものが撮れなくなったっていう話らしいね。
でもさ、だからといって、心霊写真自体が無くなったかというと、そうじゃない。
今も撮られてるはずだよ。
けど、今は画像の加工技術も上がってるからね。
出したとしても、加工が疑われるから、出さないって人も多いと思う。
それは、UFOも一緒だよ。
今も誰かが連れ去られてる。
知ってる?
最近、アメリカの元大統領が宇宙人は本当にいるって発言したんだよね。
そして僕も宇宙人はいるって確信してる。
じゃあ、なぜ、UFOに連れ去られたって話を聞かなくなったかって話。
もちろん、言ったところで証拠を出せって言われるからってこともある。
でも、それはほんの一握りの話なんだ。
聞かなくなった理由は別にあるんだ。
それをこれから話そうと思う。
僕の大学の先輩で、色々とお世話になっていたTさんっていう人がいたんだ。
Tさんは面倒見がいいっていうか、人がいいっていうか、人助けが趣味みたいな人だった。
ボランティアサークルを立ち上げていて、そこのリーダーとして凄い人望があった。
僕もそのサークルに入ってたんだ。
ボランティアとはいえ、大学のサークルだからね。
ゴミ拾いとか、老人ホームの介護の手伝いとか、児童館で子供を預かるとか、そういう簡単なものが多かったかな。
しかも、毎回出てたのはTさんだけで、他のメンバーは、結局はその後の打ち上げが楽しみだったみたい。
逆に僕はどちらかというと、打ち上げの方が苦手だったけど。
Tさんは明るく頼りがいもあったし、面倒見もいいってこともあって、周りにはいつもたくさんの人がいた。
男も女も。
そして、それを狙って、また人が集まる。
だからそのボランティアサークルに、100人近く所属してたと思う。
中にはTさんに内緒で合コンサークルみたいなことをやってる人もいた。
とにかく、Tさんの周りには人が多かった。
良い人も悪い人も。
そしてTさんは人が良かった。
悪く言うと単純だった。
そんなTさんが騙されるのはある意味、必然だったのかもしれない。
ボランティアサークルのメンバーが裏で結構、あくどいことをしてた。
犯罪じみたっていうか、完全にアウトなことを。
で、それが見つかりそうになって、Tさんに泣きついた。
それでTさんは何とかしようとしたんだけど、それが裏目に出た。
その人に、全部、やったことを押し付けられたんだ。
つまりは全部、Tさんの指示でやったことになってしまった。
Tさんには前科が付き、当然、大学も退学になり、借金も背負った。
そして、Tさんにとってはそのことよりも、裏切られたことの方がショックだったみたいだ。
助けようとした人に、人生を谷底まで突き落とされた。
そんなとき、人は恨むか絶望するかのどっちかだと思う。
Tさんは絶望の方へ向かった。
死んだような無気力の日々を、淡々と過ごすだけの毎日。
そんな中、Tさんの心の糸がプッツリと切れた。
生きていることに意味を見出せなくなったことで、人生を無意味だと思ってしまった。
そして、Tさんは自ら人生を終わらせる決断をした。
そんなTさんが最後に僕に連絡をくれたのはどうしてだったのかは、今でも理由はわからない。
確かにTさんとはよく話していたし、結構助けられもした。
でも、僕が1番かと言われれば違うと思うし、僕は助けられてばかりで逆にTさんを助けるなんてことはなかった。
単に最後に誰かと話したくて、たまたま僕の番号が最初に出ただけなのかもしれない。
とにかく、僕はTさんの思いと決断を聞いた。
だから、Tさんが行こうとしている場所に、僕も向かった。
もちろん、Tさんを止めるために。
その場所は地元でも有名な飛び降りの名所だ。
深い崖で、飛び降りれば、ほぼ遺体は見つからないって言われている。
そこでは何人も亡くなっているはず。
いや、何人なんて数じゃないと思う。
何十人は確実に、そこで命を断っている。
僕は急いでそこに行った。
そして、幸運かどうかはわからないけれど、すぐにTさんを見つけることができた。
でも、見つけた瞬間、Tさんは飛び降りてしまったんだ。
それをはっきりと見た。
絶対に見間違いじゃない。
断言できる。
そして、その後のことも、
ここでさっき言った、なぜ、UFOに連れ去られたって話を聞かなくなったかって話に繋がる。
Tさんが飛び降りた瞬間だった。
突如、上から光が差し込んできた。
それは救いの光なんかじゃなく、まるで、ベルトコンベアの上で不良品を弾き飛ばすセンサーのような、冷たくて、事務的な青白い光だった
その光に照らされ、飛び降りたはずのTさんの体が重力に逆らって空へと昇っていく。
そこにはUFOが浮かんでいた。
思ったよりもずっと小さい、小型のものが。
下手したら、トラックくらいの大きさだったんじゃないかと思う。
UFOはTさんを回収したかと思ったら、すぐにパッと消えてしまった。
この後、僕は色々な方面で、色々なことを調べた。
そこでわかったことがある。
それは、宇宙人側も連れ去ったことをバレたくない。
可能な限り隠したい。
ではどうするか。
連れ去ってもバレなさそうな人にすればいい。
つまり、失踪しようとしている人をターゲットにすればいいのだ。
そういう点で言えば、飛び降りの、あの名所は宇宙人にとって絶好の『収穫場』だった。
あの後、Tさんがどうなったかはわからない。
もしかしたら、何かの実験に使われ、また地球に戻されている可能性もある。
ただ、これだけはハッキリと言える。
宇宙人の連れ去りは本当に起きていることで、今日も誰かを狙っているということを。
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