本編
年末に向けて机の中の整理をしていたら古い手帳が出てきた。
こんな手帳なんて持ってたっけ、と思ってよーく考えて、やっと思い出した。
3年前くらいにクジの景品か何かで当たったものだ。
あの頃は割と意識が高くて、手帳に色々と書き込んでいたことを思い出す。
開いてみると案の定、仕事のことや勉強していたことが日付と一緒に書いてある。
それを見て、頑張ってたんだなと思う反面、なんであんなに熱心だったのかと不思議に思う。
今ではすっかり勉強の習慣もなくなっている。
手帳のページをめくっていくと、仕事とか勉強のことが減り、段々、日記っぽいものになっていく。
この辺りからモチベーションが下がっていったんだとわかり、何だか面白い。
そして、自分の日記を読むというのも、若干気恥ずかしさはあるものの、結構楽しい。
というか懐かしい。
ああ、こういうこともあったな、とか、あれは腹立ったとか、あれはびっくりしたとか、色々思い出せる。
読んでいると夢中になっていって、気付いたら、先週の日付で途切れていた。
終わってしまうと、なんだか寂しい気分になる。
最初は捨てようと思ってたけど、とっておくことしにして、また机の中にしまった。
終わり。
■解説
手帳は古いもので、机の中にしまわれていた。
語り部は最初に、その手帳を持っていたことさえも忘れていたと言っていた。
それなのに、手帳には先週の日付までのことが書かれているのはおかしい。
先週まで書いていたのなら、手帳のことを忘れるはずがない。
では、一体、手帳には誰が書いていたのだろうか。

