暴露大会

意味が分かると怖い話

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本編

10年ぶりに高校時代の友達と集まって、飲み会をした。
懐かしくって、みんな、飲むペースが早かった。

で、酔った勢いで誰かが「暴露大会」をしようと言い出した。

今までやったことで一番悪いことを告白すると言うものだ。

ほとんど泥酔気味だった俺たちは、すぐにやろうと盛り上がる。

まずはAが暴露をする。
Aがやった一番悪いことは万引きだ。
中学の時、どうしても欲しい漫画があって、小遣いが足りなくてついやってしまったのだという。

それを聞いて、Bが全然大したことないと笑った。
次にBが暴露を始める。
Bがやった悪いこと。
それは友達を見捨てたことだという。

Bが小学校の頃、立ち入り禁止の場所に入って友達と一緒に釣りをしていたらしい。
そしたら、その友達が足を滑らせて川に落ちたのだと言う。
助けを呼ぶと、入っちゃダメな場所に入ったことがバレてしまうので、Bはそのまま友達を見捨てて逃げたのだという。
その友達は行方不明ということになり、いまだに発見されていないらしい。

かなり重い話に、周りはドン引きする。
だが、Cが俺はもっと凄い悪いことをしたと暴露する。

Cは得意げにこう言った。

「高校の時に行方不明になったYがいただろ? あいつがイジメていた相手って、俺だったんだよね」

終わり。

■解説

Cは、Bの友達を見捨てることよりも悪いことをしている。
ということは、見捨てるのではなく、直接手を下したということになる。
つまり、CはYにイジメられ、仕返しにYを殺したということである。