本編
男が住む町は不正で溢れていた。
商人は同心や与力と組んで、やりたい放題で、庶民は何も言うことができなかった。
そのため、町の中は荒廃し、治安も悪くなる。
そんなとき、町奉行は目安箱を設置した。
男は前から目を付けられ、虐げてきた与力に対して密告書を入れる。
そのほかにも目安箱には多くの密告が集まった。
目安箱の中身は1ヵ所に集められ、直接、確認するため、町奉行以外には誰も見ることができなかった。
そして町奉行により、多くの者は罰せられ、処分される。
しかし、男が密告した者は裁かれることはなかった。
数日後。
男は変死体となって発見された。
終わり。
■解説
男が密告書を書いた相手は目安箱の密告書を集める人間。
つまり男が書いた密告書は集められた際に握りつぶされた。