本編
男は病死し、あの世で閻魔大王に裁かれるための列に並んでいる。
生前、男は処刑人をしていた。
連れてこられた罪人を処刑するという仕事だ。
男は信念と政府の正義を信じて処刑を行ってきた。
人の命を奪ってきた自分は地獄に行くのだろうと男は覚悟する。
しかし、ある老人が閻魔大王に「自分は軍人で、人を助けるために多くの人間の命を奪った」と説明していた。
その老人は意外にも、天国へ行くことに決まった。
人のために働いていたことを評価されたようだった。
男は自分も人の命を奪ったが、正義のためだと閻魔大王に説明した。
閻魔大王は資料を見て、男の地獄行きを決めた。
終わり。
■解説
男の元に連れてこられた人間は罪人ではなく、政府に都合の悪い人間だった。