空港にて

意味が分かると怖い話

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本編

Aはその日、空港にやってきた。
時間まで待っていると、空港のトイレからBが出てくるのが見えた。
Bとは学生の頃は凄く仲が良かったが、卒業してから5年以上も連絡を取っていない。
驚いたAはBに話しかける。
 
「やあ、B。偶然だね」
「よお、A。久しぶりだな」
「お腹でも押さえて、腹でも壊したのかい?」
「ああ。昨日、食べたカキがあたったのかも」
「うわー、それは大変だ」
「そのせいで、1時間くらい、ずっとトイレから出れなかったよ」
 
そんなことを話していると、空港のテレビにあるニュースが流れる。
それはパリ行きの飛行機が上空で爆発し、墜落したといういうものだった。
 
そのニュースを見て、Bが驚く。
 
「マジかよ……」
「怖いね」
 
空港内が慌ただしく騒めき始める。
 
「でも、よかったね、B。カキにあたってなかったら、乗り遅れることなかったわけでしょ?」
「ああ。最初は飛行機代もったいないなーって思ったけど、幸運だったよ」
「死んだら元もこうもないもんね」
「そうだな。あ、そうだ。Aはこの後、暇か? 久しぶりに飲みに行かないか?」
「いいね」
 
2人は昔を懐かしみ、空港を出て明け方まで飲み明かした。
 
終わり。

■解説

AとBは5年以上も連絡を取っていなかった。
それならAはなぜ、Bの行先と、飛行機の時間を知っていたのだろうか?
そして、Aは「空港にやってきた」とあるため、帰ってきたわけではない。
それなのに、なぜBと一緒に空港を出たのか?
もしかするとAは飛行機に乗るつもりではなく、あることを確認するために空港にやってきたのかもしれない。
それはBが乗った飛行機が墜落するのを見届けるため。
AとBは仲がよかったとあるが、AはBを恨んでいたのかもしれない。

 

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