■本編
犬を拾った。
生後半年くらいの犬で、弱った状態で道端で倒れ込むようにして寝ていた。
連れて帰ろうと手を伸ばしたら噛まれてしまった。
血は出てしまったが、噛む力は大分落ちているようだ。
まずは汚れた体を洗おうとするが、物凄く嫌がったのでタオルで拭いてあげた。
噛み癖がついているのか、買ってあげた犬小屋を噛んでいる。
いつも涎を流していたので、綺麗に拭いた。
だけど、弱っていくばかりで、足腰も立たなくなり、いつも虚ろな目をしている。
拾ってから1週間後。
その犬は死んでしまったので、庭にお墓を立ててあげた。
終わり。
■解説
拾った犬には狂犬病の症状が出ている。
拾う際に語り部は犬にかまれている。
つまり、語り部は狂犬病になっている可能性が高い。