シビエ

意味が分かると怖い話

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本編

一時期、シビエっていうのが流行った時期があった。
野生の鳥や獣を狩って食べるってものなんだけど、普通の人はなかなかできないよね。
 
テレビとかでも特集とかやってたんだよね。
その中でカラスだったか鹿だったかな。
刺身で食べると美味しいって紹介してて、それは危険だろって炎上してたんだよ。
 
そのときはあんまり興味はなかったんだけどさ、この前、熊肉を刺身で食べることがあったんだけど、それがすごく美味しかったんだよね。
そこから、シビエっていうよりは刺身にハマったんだよ。
 
色々な動物の肉を刺身で食べたりしてたんだけど、この頃は魚にハマってるんだよね。
釣った魚の刺身。
 
やっぱり活きが良いと本当に美味しいんだよね。
動物の肉と違って臭みがないっていうのかな。
一回食べたら病みつきになっちゃってさ。
よく釣りに行って、釣ったものをその場で食べたりしてるんだよ。
 
もちろん、これは俺の自己責任でやってるんだよ。
だから、真似してなんかあっても、俺は責任もてないから。
 
で、今日もそれで釣りにきたんだよね。
 
そしたら、ほら、見て。
今日はなんと、うなぎが獲れたんだよ。
珍しいよね。
 
じゃあ、さっそく、食べてみようかな。
 
そういえば、うなぎの刺身ってあんまり見ないよね。
美味しくないのかな?
でも、まあ食べてみればわかるよね。
 
それじゃ、いただきます!
 
終わり。

■解説

うなぎの血には毒がある。
不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難が引き起こされる場合がある。
最悪、死亡することもあるのだ。
それを知らずに食べた語り部のその後は……。
帰らぬ人になったかもしれない。

 

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