本編
お父さんからお土産に人形を貰った。
アマゾンの奥地にいる部族が作ったとかいう人形だ。
可愛くもないし、逆に不気味で、正直いらないと思った。
けど、何か苦労して手に入れたとか言ってたから、受け取らないのも悪いと思って貰ったんだけど。
それなら自分で持っていればいいのに。
それにしても、何をモチーフにした人形なんだろう?
人型なのはわかるけど、女の子なのか男の子かもわからない。
あと、気のせいかもしれないけど、いつもこっちを見ているような気がする。
そんなわけないとは思うけど、人形を見るといつも目が合う。
毎回、向きを変えてるんだけどね。
私が見ようとするときの位置が毎回、人形の目と合う方向からなんだと思う。
夜、トイレに行くときに目が合った時は悲鳴を上げてしまった。
まあ、小さくだけどね。
大声で叫んだら、警察とか呼ばれるところだったよ。
もう物置にしまっちゃおう。
歯磨きしながらそう決めた。
そしたら、鏡越しに人形と目が合った。
うわー、って思ってたら人形が戸棚の右側に落ちた。
なんか、凄い不自然な動きだった。
私は振り向いて、右側に落ちている人形を拾い上げて、すぐに物置に放り込んだ。
終わり。
■解説
鏡に映った状態で、人形が『右側』に落ちたのなら、振り返ったときは『左側』に落ちているはずである。
それなのに、人形は戸棚の右側に落ちているのはおかしい。

