本編
俺の1つ上の兄貴がかなり上の高校に受かった。
かなり嬉しかったらしく、今でもその高校の受験票を机の上に残している。
最初はおめでとうという気持ちがあったが、兄貴はそれで調子に乗り出した。
何かと俺を馬鹿にするようになったのだ。
だから俺も兄貴と同じ高校を受けることにした。
正直、兄貴よりも俺の方が成績が上だから、たぶん受かるだろう。
受かれば兄貴と部屋を別にしてもらうという約束も親としている。
そしてついに受験日が近づいてきた。
念のために、日程を見るために受験票を確認する。
3月5日火曜日。
今日は2月25日の火曜日だから、あとちょうど1週間後だ。
気合入れて勉強しよう。
終わり。
■解説
2月25日が火曜日であるなら、3月5日は水曜になる。
つまり、語り部は去年の兄の受験票を見ていることになる。