本編
ある日、俺は妖精と出会った。
その妖精はこちらが質問をしないと全くしゃべらない。
そして、検証してみたらその妖精の返答は全部嘘だということがわかった。
俺はそれを利用してカジノでかなりの金額を手に入れた。
ルーレットで妖精が赤が出ると言えば黒に賭ければいい。
それを10回くらい試したとき、ふとあることが気になった。
こんな幸運がそんなに続くのだろうか、と。
だから俺は念のために聞いてみた。
「お前の嘘はまだ終わらないよな?」
「いえ、私はもう嘘を付かなくなります」
やっぱり。
危なかった。
じゃあ、次は妖精の言う通りに、全額賭けよう。
終わり。
■解説
妖精は嘘しか言わない。
「もう嘘を付かなくなる」も嘘である。
つまり、語り部は次で全額を失ってしまう。