最後の1本

意味が分かると怖い話

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本編

おじいちゃんの歯は、もう1本しか残っていない。
その最後の1本を、おじいちゃんは物凄く大切にしている。
 
だからご飯のときに固いものを出すと怒られる。
ステーキなんてもってのほかで、野菜だってとろとろに煮込んだものじゃないとだめだ。
 
毎日毎日、柔らかい食事を考えるのも面倒になってきた。
 
今日は面倒くさいからおかゆにしよう。
具は卵だけ。
 
なのに、おじいちゃんは泣いて、部屋に引きこもってしまった。
どうやらおかゆに固いものが入っていたらしい。
 
ちゃんと裏ごしもしたんだけどな。
おかゆがダメなら、もう飲み物しか出せないよ。
 
終わり。

■解説

裏ごしをしているのに、固いものが入っているのはおかしい。
そして、おじいちゃんは泣いて、引きこもってしまった。
つまり、固いものはおじいちゃんの最後の歯だったということになる。