意味が分かると怖い話 解説付き Part741~750

意味が分かると怖い話

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配信動画

男は登山家で、山に登っている様子を動画にとって配信するユーチューバーだった。
 
今回も、頭にカメラを付け、撮影しながら一人で山に登り始める。
 
しかし、男は途中で足を滑らせ滑落してしまう。
 
そのせいで男は亡くなってしまう。
 
後日。
 
男の家族から、男の最後の映像として動画がアップされた。
そこには男が山の斜面を転げ落ちる中、カメラに向かって助けてと叫んでいる姿が映っていた。
 
終わり。

■解説

男はカメラを頭に付けていたはずである。
それなのに、カメラ目線になるのはおかしい。
つまり、映像は男が付けていたカメラではなく、第三者が撮影したものということになる。

お気に入りの靴

その女の子は母親にねだって、高級な靴を買ってもらった。
女の子はその靴がお気に入りで、どこに行くのにも大事に履いていた。
 
しかし、あるとき、女の子は事故に遭ってしまい、右の靴をなくしてしまった。
 
ショックを受け、落ち込む女の子。
 
そんなあるとき、靴が見つかったという連絡が入った。
 
だが、母親は右の靴を女の子に渡さず捨ててしまった。
 
女の子は今でも左の靴を大切に履いている。
 
終わり。

■解説

女の子は事故で右足もなくしてしまった。
なので、右の靴が見つかっても履けないため、母親は処分した。

経験値

俺はあるきっかけで異世界に転生されてしまった。
ただ、チートではなくレベル1からスタートだった。
 
だが、これはこれで強くなる楽しみがあっていい。
 
生物を狩ってレベルを上げる。
これの繰り返しだが、充実している。
 
そんなとき、ある少年に出会った。
彼の目的はレベル50になって、強いスキルを手に入れることだった。
 
俺は一緒に旅をしながら、どっちが先にレベル50になるか競争していた。
今は俺の方がちょっと負けている。
 
すると目の前にレアモンスターが出てきた。
少年は俺に譲ってくれた。
 
倒すとレベル49になる。
あと、雑魚を1体倒すだけで50に上がるだろう。
 
俺の勝ちだ。
 
そう思っていると、少年が「これで50になれる」と笑った。
 
終わり。

■解説

少年は語り部を狩ってレベル50になるつもりである。

 

夕焼け

僕は夕方が好きだ。
学校が終わったことの解放感。
 
そして、なにより夕日が綺麗だ。
 
すべてを紅く染め上げる夕日。
本当に最高だ。
 
今日も街並みが夕日に照らされて綺麗に見える。
 
なんて考えていたら夕立が降ってきた。
 
凄いどしゃ降り。
 
どこかで雨宿りしようときょろきょろしていたら、思い切り電柱に顔をぶつけてしまった。
かなり痛い。
 
顔を抑えながら、なんとか雨宿りできる場所を発見した。
 
雨はまだまだやみそうにない。
 
仕方がないから、夕日に照らされた街を見ながら雨がやむのを待とう。
 
終わり。

■解説

どしゃぶりの雨が降っているということは太陽は隠れていることになる。
では、なぜ街が夕日に照らされて見えたのか。
それは語り部が顔を痛打したことにより、眼底出血したのかもしれない。

夏の風物詩

セミの鳴き声を聞くと夏だって感じがする。
夏が好きな俺は、もちろんセミが好きだ。
 
けど、最近はセミが少なくなったせいか、鳴き声がほとんど聞こえない。
だから、俺は思い切って、セミを飼うことにした。
 
少しうるさいけど、これでいつでもセミの鳴き声を聞くことができる。
 
よく人からセミなんて一週間で死んでしまうだろうと言われる。
だけど、セミって意外と長く生きる。
うまく飼えば30日くらい生きるそうだ。
 
おかげで、今年は夏の始めから終わりまで、セミの鳴き声を聞くことができた。
 
終わり。

■解説

夏は短くても2ヶ月ほどはある。
ということは、語り部が飼っていたセミは30日以上は生きているということになる。
一体、語り部は何を飼っていたのだろうか。

 

人形焼き

人形焼きを作るための顔型のものを買った。
さっそく、7歳の息子と一緒に、人形焼きを作る。
 
息子が私やお父さんの顔を作っていく。
結構、特徴を捉えていて上手い。
 
友達の顔も作っていく。
でも、その中で知らない顔があった。
 
誰の顔?
 
息子に聞いてみると、妹だと言った。
 
息子は一人っ子なのに。
うふふ。
妹が欲しいのかな?
 
終わり。

■解説

息子ははっきりと妹の顔と言っている。
そして、語り部には息子しかない。
旦那は他の家に、子供を作っているのかもしれない。

最後の1本

おじいちゃんの歯は、もう1本しか残っていない。
その最後の1本を、おじいちゃんは物凄く大切にしている。
 
だからご飯のときに固いものを出すと怒られる。
ステーキなんてもってのほかで、野菜だってとろとろに煮込んだものじゃないとだめだ。
 
毎日毎日、柔らかい食事を考えるのも面倒になってきた。
 
今日は面倒くさいからおかゆにしよう。
具は卵だけ。
 
なのに、おじいちゃんは泣いて、部屋に引きこもってしまった。
どうやらおかゆに固いものが入っていたらしい。
 
ちゃんと裏ごしもしたんだけどな。
おかゆがダメなら、もう飲み物しか出せないよ。
 
終わり。

■解説

裏ごしをしているのに、固いものが入っているのはおかしい。
そして、おじいちゃんは泣いて、引きこもってしまった。
つまり、固いものはおじいちゃんの最後の歯だったということになる。

 

腕時計

息子は去年、事故で右腕を失った。
それからは息子の腕時計の脱着は私がしている。
 
あるとき、息子が一人で買い物に行くと出て行った。
すぐ帰ると言っていたのに、もう4時間も経っている。
 
気になって探しに行ってみると、水たまりに太いリングのような物が落ちていた。
それは息子の腕時計だった。
もしかしたら、腕時計を落として探し回っているのかもしれない。
 
早く息子に教えてあげないと思っていたら、電話がかかってきた。
出てみると、それは病院からだった。
 
終わり。

■解説

語り部が見つけた腕時計は締めた状態ある。
その場合、手首にひっかかって腕時計は落ちないはずである。
つまり息子は手首が切れ、それにより時計を落としたということになる。

お線香

最近、母が元気になった。
以前は家から一歩も出なかったのに、今では2日に1度は出かけている。
 
それはいいことなんだけど、母はもう80歳でちょっと心配だ。
 
俺が車で送ると言っても、聞く耳を持たない。
 
それに、母は最近、少し痴呆症の症状が出ている。
毎日、俺にご飯をよそってくれるのだが、それにお線香を立てているのだ。
 
きっと、死んだ親父と間違えているんだと思う。

それに俺の話を聞かずに一方的に話してくる。
だから、母には出かけてほしくない。
出かけて迷子になられても大変だ。
 
今日も袋を片手にスーパーに行くらしい。
言ってくれれば俺が買ってくるのに。
 
終わり

■解説

語り部は幽霊になっているが気づいていない。
語り部がいなくなったので、買い物も自分で行くようになった。

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