眼差し

意味が分かると怖い話

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本編

俺は国内では誰でも知っているトップアイドルだ。
 
どこに行っても、周りから羨望の眼差しを向けられる。
最初はそれが嬉しく感じていたが、今ではうんざりしている。
 
最近ではストーカーも出てきた。
 
いつの日からか、俺は人目につかないところを通るようになった。
帽子とマスクをして、目立たない服にしている。
 
それでもファンは気付く。
 
今日も深夜で路地裏にも関わらず、どこからか視線を感じる。
振り切ろうと走ったら、目の前から人が出てきてぶつかった。
 
その女は俺の方をジッと見ている。
サインをねだれるかと思ったら、悲鳴をあげて逃げて行った。
 
こういう反応は初めてだ。
 
そう思っていると、後ろから何か衝撃が走った。

終わり。

■解説

女はアイドルではなく、その後ろにいるストーカーを見て逃げて行った。