本編
その女は100万人に1人という奇病にかかってしまった。
その病気は患者数が少ないため、治療法の研究が遅れている。
そのため、様々な医師の元へ行ったが、ほとんど、治療らしい治療ができていない。
そんな状況の中、病気は徐々に進行していく。
病気は女を苦しめ、女は死にたいとすら考えるようになってしまった。
絶望の淵に立たされた女の話を聞き、ある医師が女の元へやってきた。
その医師は女にある薬を渡した。
それは奇病の苦しみを和らげる唯一の特効薬なのだという。
女は喜んでその薬を飲んだ。
医師の言う通り、女は病気の苦しみから解放された。
終わり。
■解説
奇病の研究は進んでいない。
そんな中、この医師だけが病気に効く特効薬を持っているのはおかしい。
そして、医師は「苦しみを和らげる」ための特効薬と言っている。
つまり、医師が女に与えたのは毒で、女は死んだことにより病気の苦しみから解放されたというわけである。