意味が分かると怖い話 解説付き Part671~680

意味が分かると怖い話

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ビニールプール

3歳の弟はプールが好きだ。
プールっていっても、学校とか温水プールみたいな大きなものじゃなくて、庭でやるビニールプールだ。
 
夏になったら、毎日のようにプールに入りたいって騒いでいる。
最初は遊ぶ弟を見ているのが可愛くてよかったんだけど、やっぱり段々とめんどくさくなってくる。
 
お母さんも、ビニールプールでも毎日は水道代がかかっちゃうから、と渋っていた。
 
だから僕はずっと水を入れて出しっぱなしにすればいいんじゃないかって言ったんだ。
そうすれば片付けなくていいし、水道代もかからないから。
 
でもお母さんは、それだと衛生上よくないからダメだって言うんだ。
 
だから今度は、僕は学校のプールの水も毎回取り換えてないよって言った。
そしたら、お母さんは学校のプールは塩素を入れているから大丈夫なんだって言ったんだ。
 
塩素っていうのは、プールの下に沈んでいる、丸いラムネみたいなやつらしい。
 
そこで僕はこっそり、学校のプールで塩素をゲットしてきた。
これを入れれば大丈夫なはずだ。
 
僕はビニールプールに塩素を入れた。
そしたら、弟が拾ってかじろうとしたから、慌てて止めた。
 
僕も前にかじろうとして、先生にすごく怒られた。
あれは食べちゃダメなものなんだって。
 
それでも弟は塩素を食べようとする。
 
そこで僕は考えた。
家にあった、大きいラムネを弟に渡したんだ。
 
弟は喜んで食べたけど、今度はそのラムネをプールに入れ始めた。
 
もう、ホント、困った弟だよ。
 
終わり。

■解説

ラムネにはクエン酸が入っている。
クエン酸は安全なものだが、塩素と混ぜると塩素ガスという有害なガスが発生してしまう。
語り部と弟は有害なガスを吸うことになる。

 

蜃気楼

男は1人、砂漠を彷徨っていた。
本来通るはずのルートから随分と離れたところを歩いている。
 
男はかれこれ、5日は迷いながら進んでいる状態だ。
途中で珍しい生物を見て、それを追いかけたのが失敗だった。
 
この5日間は人どころか動物さえも見ていない。
食料や水は2日前に尽きてしまった。
 
もう生きては帰れないだろう。
 
そう思い、覚悟を決めた時だった。
ふと、遠くのほうにぼんやりと建物らしきものが見えた。
 
助かるかもしれない。
 
今までやみくもに歩いていた男にとって、向かう先がわかるだけで救いだった。
 
男は気力を振り絞り、建物がある方向へ歩き出そうとする。
だが、そのとき、ふいに背中をポンと叩かれた。
 
振り向くと、そこには青年が立っていた。
 
「あれは蜃気楼ですよ」
 
青年は残念そうに首を横に振る。
 
「この辺りは迷った人しか通りませんからね。近くに建物なんてありませんよ。あそこに向かってもただ体力を消耗するだけです」
 
青年はそう忠告して、持っていた水を差し出してくれた。
 
男は建物が蜃気楼だったことに気落ちしたが、人と会えたことと、2日ぶりの水を飲んでホッと安堵の息を吐いた。
 
終わり。

■解説

男がいた場所は「迷った人しか通らない」場所である。
つまり、青年も迷った人間ということになる。
そして、この辺りに建物は存在しない。
語り部は生命の危機は全く去ってはいない状態なのである。

 

ミートソース

今日は美奈子ちゃんの家で、パスタをご馳走になるために呼ばれた。
 
美奈子ちゃんはクラスでも1番の人気の女の子で、男子のみんなが狙っている。
もちろん、僕も今日をきっかけに仲良くなれたらなって、思っているのだ。
 
美奈子ちゃんからは粉チーズを持ってきてほしいと言われていたから、お母さんが隠し持っている高い粉チーズを戸棚から出して持ってきた。
 
美奈子ちゃん、喜んでくれるかな。
 
美奈子ちゃんの家に着くと、他にも4人の男子がいた。
 
なんだ。呼ばれたのは僕だけじゃなかったのか。
 
がっかりしたこともあるけど、僕だけが呼ばれるなんてことは、正直おかしいと思っていたから、納得したという気持ちのほうが強い。
そして、他のみんなもパスタとか、トマトとかコンソメとか持ってきてほしいと言われていたみたいだ。
 
つまり、呼ばれた男の子は材料を用意するためだったのかもしれない。
 
僕は美奈子ちゃんに粉チーズを渡すと、笑顔でありがとうと言ってくれた。
でも、そのあと、美奈子ちゃんは急に暗い顔になった。
 
なんでも、康夫くんと隆くんが肉とトマトを忘れたみたいだ。
 
どうしようと悩んでいる美奈子ちゃんに僕は「ある材料の中で作ってみたら? それでもみんな喜ぶよ」と言った。
そしたら、美奈子ちゃんは納得したように頷いて、ないなら用意すればいいんだねと言ってキッチンに入っていった。
 
僕たち男子は美奈子ちゃんの部屋で待つことになった。
美奈子ちゃんが料理を作っている間、みんな、部屋の中を探索したいような感じだったけど、誰かがそれを美奈子ちゃんにしゃべったら確実に嫌われてしまう。
だから、みんな、動くに動けなかった。
 
待つこと1時間。
そろそろ、みんな緊張で疲れていたときだった。
 
部屋のドアが開いて、美奈子ちゃんが入ってきた。
美奈子ちゃんが用意してくれたのはミートソースパスタ。
 
変わった味がしたけど、とってもコクがあって、本当においしかった。
 
それにしても、ずっと康夫くんの姿が見えない。
先に帰っちゃったんだろうか?
 
終わり。

■解説

肉とトマトがないのに、ミートソースパスタができるのはおかしい。
ということは美奈子が自分で用意したということになる。
つまり、康夫の肉と、血をトマトの代わりにしたのかもしれない。

 

新築のトイレ

今日から、待ちに待った新居へ入居する。
旦那はすごく渋ってたけど、なんとか説得して25年ローンで家を購入したのだ。
 
旦那の方は乗り気じゃなかったのと、あまり興味がないこともあり、家の間取りなんかは全部、私の好みで仕上げている。
 
やっぱり自分の家というのは感慨深い。
今日からここが私の家となることに興奮する。
 
1週間はかかると思っていた荷解きも2日で終わり、足りないものや新居へ移ったことをきっかけに家電も新調した。
 
新居だと掃除にも気合が入るが、そもそも汚れていないのですぐに終わってしまう。
そのせいか、なんだか手持ち無沙汰になってしまった。
 
必要なものも買い揃えてしまったし、出かける用事もない。
なので、ぼーっとテレビを見ていたときだった。
 
不意に後ろの方でパタパタという足音が聞こえた。
慌てて振り向いてみるが、もちろん誰もいない。
 
うちは子供もいないし、旦那は仕事に行っている。
実家の親も離れたところに住んでいるし、友達にはまだ新居に移ったことを教えていない。
だから、家の中に、私以外にいるはずがないのだ。
 
最初は気のせいかと思ったけれど、何回も足音が聞こえるし、子供の笑い声も聞こえ始めた。
 
私は血の気が引いた。
新居なので事故物件なわけがない。
それなのに、幽霊なんて出るだろうか?
 
もしかしたら、近所の子供がいたずらで入り込んだのかもしれないと思い、戸締りはしっかりと確認していた。
それなのに、子供の気配がする。
 
このことを旦那に話しても、取り合ってくれない。
私は急に、この新居が怖くなった。
 
気を紛らわせるため、テレビを大音量で流す。
それなのに、足音だけはしっかりと聞こえてくる。
しかも、段々と近づいてきているのだ。
 
そして、ついにすぐ後ろで足音と笑い声が聞こえた。
 
私は我慢ができなくなり、咄嗟にトイレに逃げ込むことにした。
ドアを引いて、中へと入り、しっかりと鍵を閉める。
 
すると、今度はトイレのドアがノックされる。
 
私は思わず悲鳴を上げた。
そしたら、ノックがドンドンと強くなっていく。
 
私がやめてと叫ぶと、その音はぴたりと止んだ。
 
いなくなったかと思い、ほっとした瞬間だった。
ギギギとトイレのドアが開き始める。
 
ドアの鍵を閉めたはずなのに。
 
そして、その隙間から、男の子がじっとのぞき込んでいた。
 
私はまた悲鳴を上げて、ドアを押して閉めた。
 
「ここは私の家よ。出て行って!」
 
私がそう叫ぶと、ドアの前にいた気配が、足音とともに遠ざかっていった。
 
今度こそ、いなくなったと直感し、私は溜息を吐いた。
 
明日、お祓いしにお寺にいってこよう。
 
終わり。

■解説

語り部はトイレのドアを「押して閉めて」いる。
ということは、ドアは「内開き」ということになる。
だが、多くのトイレは「外開き」である。
そして、語り部もトイレに入るときはドアを引いていることから外開きのはずである。
つまり、トイレのドアが幽霊によって、あり得ない方向に開いていることになる。

 

特効薬

その女は100万人に1人という奇病にかかってしまった。
その病気は患者数が少ないため、治療法の研究が遅れている。
そのため、様々な医師の元へ行ったが、ほとんど、治療らしい治療ができていない。
 
そんな状況の中、病気は徐々に進行していく。
病気は女を苦しめ、女は死にたいとすら考えるようになってしまった。
 
絶望の淵に立たされた女の話を聞き、ある医師が女の元へやってきた。
 
その医師は女にある薬を渡した。
それは奇病の苦しみを和らげる唯一の特効薬なのだという。
 
女は喜んでその薬を飲んだ。
 
医師の言う通り、女は病気の苦しみから解放された。
 
終わり。

■解説

奇病の研究は進んでいない。
そんな中、この医師だけが病気に効く特効薬を持っているのはおかしい。
そして、医師は「苦しみを和らげる」ための特効薬と言っている。
つまり、医師が女に与えたのは毒で、女は死んだことにより病気の苦しみから解放されたというわけである。

 

コイントス

俺は昔から勝負事が好きだった。
そんな俺の性格を見抜いてか、浩平はその勝負にお金を賭けてきた。
 
そのせいで、俺はすっかりギャンブル好きになってしまった。
大学生になる頃にはパチンコにはまり、友達を集めて賭けマージャンとかは当たり前で、何かにつけて勝負をしてお金を賭けるようになる。
 
その中で浩平との賭けをすることが一番多い。
ただ、浩平との賭けはいつも俺が負けてしまう。
本当に悔しい。
いつか、浩平にぎゃふんと言わせてやりたい。
 
そんな思いから、得意なことで勝負を挑むんだけど、それでも勝てないのだ。
もう浩平と賭けをするのはやめよう。
 
そう思っていると、逆に浩平の方から賭けを挑んできた。
あっちから言い出してくるなんて珍しい。
 
浩平の方から言い出したってことは、なにか自信がある勝負に決まっている。
自分の得意なものでも勝てないのに、浩平の得意分野じゃ勝負にならない。
だから、俺は断ろうとした。
 
けど、浩平から提案されたのは『コイントス』だった。
しかも、俺がトスする側だ。
これなら、完全に運と勘の勝負になる。
 
勝てるかもしれない。
 
俺は浩平からの賭けを受けることにした。
さっそく、10円玉を出してコイントスをする。
 
俺は表で浩平は裏。
 
結果は表で俺の勝ち。
 
初めて浩平に賭けで勝った。
でも、今度は浩平のほうがものすごく悔しがっている。
もう一回と言ってくる浩平。
 
俺はまた勝てると思い、勝負を受けた。
勝負の掛け金は1回目の倍。
 
結果はまた俺の勝ち。
さらに掛け金を倍にしてもう1回勝負する。
また俺の勝ち。
 
そしたら浩平は最後の勝負として、掛け金を倍にしてきた。
そして、俺の10円玉だとなにか不正しているんじゃないかと言い出し、浩平が持っていたコインで勝負しろと言ってくる。
出してきたのは見たことないコインだった。
 
俺は裏で浩平は表に賭ける。
 
そして、俺はコインを指で弾く。
すると浩平がにやりと笑みを浮かべた。
 
終わり。

■解説

浩平が出してきたのは、語り部が見たことのないコイン。
つまり、語り部はどっちが表か裏かがわからないはずである。
それなのに、語り部は裏に賭けてしまっている。
コインがどっちに向いていても、表と浩平が言えば語り部は納得せざるを得ない。
結局、語り部は今回も浩平に負けてお金を払うことになる。

 

物は大切に

物は大切に。
俺は小さい頃から両親や祖父にそう言い聞かされて育った。
 
出された料理は全部食べるのは当たり前で、茶碗に米粒一つだって残さない。
服だって着れなくなるまでちゃんと着るし、車だって故障して動かなくなるまで乗る。
消しゴムやボールペンだってそうだ。
最後までちっきりと使い切る。
 
前に、家の中で電池を落としてしまい、全然見つからなかった時があった。
友達には「買ったほうが早い」なんて言われたけど、俺は執念で2時間かけて探しだしたほどだ。
 
まあ、そのせいで周りからはかなり変人と思われているが。
 
ある日、俺はボールペンを買おうと思い、文房具屋へと向かった。
だが、その途中で、いきなり後ろから羽交い絞めにされ、無理やり車に押し込められた。
目隠しをされ、1時間ほど車が走った後、俺は狭い部屋に押し込められる。
 
そこは倉庫のようで、壁や床がすべてコンクリートで部屋の中には一切の物がないように思える。
 
というのも、部屋には窓すらなく、電気がついていないので手探りでいろいろと調べてみたのである。
本当に何もない部屋だ。
 
なんのために俺をこんな部屋に閉じ込めたのか。
理由は何となくわかっている。
それは目隠しされる前に、チラッと相手の顔を見たからだ。
同じ会社だった営業のS。
 
以前、Sが親せきの会社と不正に取引をしているのを見つけ、会社に告発した。
必要のない部品を買い取っていたのだ。
 
何が許せないかって、仕入れたその部品をすべてそのまま廃棄していたところだ。
物を大量に無駄にしている。
それが本当に許せなかった。
 
俺の告発でSは会社をクビになった。
おそらく、その報復だろう。
 
きっと俺を死ぬまでこの部屋から出さない気だろう。
 
俺が死ぬ前にここに助けに来る確率はほぼ0だ。
高確率で俺は助からない。
 
だけど、このままやられっぱなしで終わる気はない。
最後の悪あがきとして床にSの名前を書き、その上で死んでやる。
そうすればSは捕まるはずだ。
 
俺はポケットからボールペンを取り出し、床に書いた。
そして、それを覆うようにして倒れ込んだ。
 
終わり。

■解説

語り部は「ボールペンを買いに行く途中」で拉致されている。
そして、語り部はボールペンも最後まで使う性格である。
つまり、今、語り部が持っているボールペンはインクが切れているはず。
インクの切れたボールペンでコンクリートの床にSの名前を書いても、誰にも気づかれない可能性が高い。
さらに、部屋の中は真っ暗なのでそのことに語り部が気づくこともないのである。

 

流れ星

少年は父親が運転していた車に乗っていたときに事故にあい、寝たきりの状態になってしまった。
その事故で父親は死んでしまい、少年の面倒を母親が献身的にしてくれている。
 
自分の時間を犠牲にしてまで少年に尽くす母親。
 
ある夜。
少年は流れ星を目撃する。
 
咄嗟に少年は「お母さんが幸せになれるように」と願った。
 
その願いが届き、次の日に少年は死んでしまった。
 
終わり。

■解説

母親にとって少年は重荷だった。
少年から解放された母親は幸せになった。

 

呪いの迷路

 

廃園になった遊園地の中に、巨大迷路というアトラクションがあった。
その迷路は本格的で、大人でもゴールできるまで1時間以上はかかるというものだった。
 
最初こそはその難しさが珍しく、多くの客が訪れていたが、1年も経つと逆に敬遠するものも多くなった。
子供連れやカップルなんかは、時間がかかり過ぎるので挑戦しづらいし、かといって1人で挑戦するという客も少なくなった。
 
そんなあるとき、遊園地の係員は確認を怠ったせいで、客を迷路の中に取り残したまま帰ってしまい、そのせいで中の客が脱水症状で死亡するという事故が起きた。
 
このことで元々経営的に遊園地の経営者は廃園にすることを決める。
 
人が亡くなったことと、巨大迷路が組み合わさり、この迷路はいつしか『呪いの迷路』と呼ばれるようになった。
夜の12時を過ぎてから迷路に入った人間は朝までに出られなかった場合、呪われて死んでしまうのだという。
 
その噂を聞きつけて、検証するために何人かが12時以降に迷路に入り、朝まで迷路の中で過ごした。
すると、偶然なのか、その全員が病気や事故で亡くなってしまう。
 
それが噂に拍車をかけ、呪いの迷路は心霊スポットとして有名になった。
 
ある男はその話を聞き、友達と一緒に呪いの迷路に、遊び半分で入ってしまう。
相当、酒を飲んだ後だったため、男はふらつき、友達とも逸れてしまった。
 
徐々に酔いが覚めてくると、男は慌て出す。
早くゴールに行かなければ、と。
 
完全に道を見失っていた男は半分泣きながらも、必死に迷路を進む。
 
そして、なんとかゴールの扉が見えてきた。
よかった。ゴールできた。
 
男は小走りで扉に向かう。
すると、向こうから扉が開き、誰かが入ってきた。
 
男は一瞬、友達が心配して戻ってきてくれたのかと思った。
だが、予想は外れ、赤の他人だった。
 
その人たちとすれ違いながら、男は扉を開けて外に出た。
 
終わり。

■解説

語り部がすれ違ったのは、同じく噂を聞きつけてやってきた人間だと考えられる。
その人間がゴールからスタートするとは思えない。
つまり、語り部はゴールからではなく、スタートから外に出たのでゴールできていないことになる。
男はゴールできなかったので呪われてしまう可能性が高い。

 

最強の流派

創設されてから2000年間、1度も他の流派に敗れたことのない最強の流派があった。
一般には知られていないが、その道の人間でその流派のことを知らない者はいない。
 
その男は腕にかなりの覚えがあった。
他流試合を何度も繰り返し、負け知らずで、自分こそが最強だと考えている。
 
そんな中、男はようやくその、最強の流派を受け継ぐ人間を見つけ出した。
 
山奥で、他にはだれも住んでいないような場所で修業を積んでいる最強の流派の人間。
男が他流試合を申し込むと、快く受けてくれた。
 
2人だけの密かな決闘。
その戦いは1晩中続き、朝を迎えるころにようやく決着がついた。
結果は男の勝ち。
 
男は喜んだ。
これで最強は自分の方なのだと。
 
だが、その後、男が最強の流派を破った噂は流れることはなく、男の姿を見たものもいない。 
 
終わり。

■解説

最強の流派の人間たちが、噂が広まる前に男を闇討ちして殺した。
今まで負けたことがないのも、単に勝った者を亡き者にしていただけである。

 

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