意味が分かると怖い話 解説付き Part521~530

意味が分かると怖い話

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噂話

町外れにあるモーテルに男女の幽霊が出るという噂があった。
町の人たちは幽霊たちを恐れて、そのモーテルに泊まろうとしなかった。
 
しかし、ある旅行者のカップルが、その噂話を聞き、興味本位でモーテルに泊まることにした。
 
最初は幽霊なんか現れないとタカをくくっていたが、夜になると物音や不気味な声が聞こえるようになった。
それでも気のせいだと自分に言い聞かせ、なんとか一晩をやり過ごそうとする。
 
しかし、旅行者の元に幽霊が現れた。
そして、幽霊は、なぜ自分が幽霊になったかを語る。
 
それは自分たちも幽霊の噂を聞いて、この場所に泊まり、その幽霊によって導かれてしまったのだという。
 
その幽霊は今でもこの場所に泊まったことを後悔しているようだった。
旅行者はその幽霊を憐み、成仏できるように祈った。
 
すると、その想いが通じたのか、幽霊は成仏する。
 
その日以降、その幽霊がモーテルに現れることは二度となかったが、モーテルの噂話は消えることはなかった。
 
終わり。

■解説

なぜ、幽霊が成仏したのにモーテルに幽霊が出るという噂話が消えなかったのか。
それは、モーテルに幽霊が出るという部分に関しては変わらなかったからである。
つまり、今度は、そのモーテルに泊まった旅行者のカップルが幽霊に導かれて、幽霊となってしまったからである。

 

布団

男は不眠症だった。
仕事でストレスを抱えているわけでもなく、将来に不安があるわけでもない。
病院に行ってみるが、原因はわからず、ただ睡眠薬を貰うだけで終わってしまう。
 
男はとにかく、安らかに寝たいという思いだけがあった。
 
アロマや寝る前に温かいミルクを飲むなどもしてみたが意味がなかった。
枕や毛布、マットレスも変えてみたが、結果は変わらない。
 
そんなある日、男は古いリサイクルショップを訪れる。
珍しいことにそこには布団が売っていた。
 
中古とは思えないほど状態がよく、なによりその布団に心が惹かれてしまった。
 
さっそく、男は店主にその布団を売って欲しいとお願いした。
すると、奇妙なことに店主は、「絶対にこの布団を使わない」という約束がないと売れないと言い出した。
理由を聞いてみると、その布団を使うと、その人は必ず眠ってしまうのだという。
なので、鑑賞用としてしか売れないというのだ。
 
必ず眠ってしまう。
それは男がずっと求めていたことだ。
 
男は店主に嘘をついて、その布団を買った。
 
そして、その日の夜。
男はさっそく、その布団を使ってみた。
 
店主の言う通り、男は眠りにつき、もう二度と不眠症に悩むことはなかった。
 
終わり。

■解説

その布団は使った人間を永眠させてしまうものだった。
つまり、男はもう二度と目覚めることはなく、不眠症に悩むことはなくなったというわけである。

 

女は猜疑心が強かった。
子供の頃、両親が詐欺師に騙されたこともあり、人を信じることができなかった。
 
そのせいで、女は孤立し、友人もできない。
女はそれが寂しく、自分の猜疑心の強さを呪った。
 
人を信じたい。
友達と楽しく過ごしたい。
 
そう思うのだが、どうしても無意識に人を疑ってしまう。
 
そんな女の前に、ある男が現れる。
男は元医者だと話、いい薬があると言ってきた。
 
最初、女はその怪しい言葉に警戒したが、男にそういう心を治したいのではないのかと言われ、騙されたと思い、薬を使った。
 
すると、その日から女はポジティブな思考になり、友達もできた。
毎日が楽しく、その薬に感謝した。
 
そして、女はその薬を手放せなくなった。
 
それから数ヶ月後、女は自宅で亡くなっているのを発見される。
 
女を知る、周りの人の話を聞くと、女は数ヶ月前から仕事も欠勤するようになり、家に引きこもるようになったのだという。
 
終わり。

■解説

男に渡された薬は麻薬だった。
女がポジティブになれたのも、友達が出来たのも、毎日が楽しいと感じていたのも全てが麻薬による妄想だった。

 

灯台の光

男は漁師で、一人で海に出ていた。
 
だが、不運にも嵐に巻き込まれてしまい、遭難してしまう。
 
船が沈まなかったのは不幸中の幸いだったが、海の真っただ中で方向を見失ってしまっていた。
漂流して海をさ迷い続ける中で、ついに食料も尽きてしまう。
 
まだ燃料は残っているが、陸地がどの方向にあるかわからない状態では無暗に進むわけにもいかない。
 
万事休すか、と男は死を覚悟した。
 
だが、そんなときだった。
男の視界の端に丸い光が見えた。
 
あれは灯台の光だ。
 
男はすぐにその光の方へ向けて船を進めた。
祈りながら進み始めて2日が経過した。
 
するとついに、陸地を見つけることができた。
 
男はすぐに上陸し、灯台を探す。
 
3時間ほど歩くと、灯台が見つかった。
 
すぐにドアを叩くと、中から老人が出てくる。
事情を話すと、老人は灯台の中に招いてくれた。
 
久しぶりの食料と水を貰い、男は生き返った気持ちになった。
 
そんな男を見ながら、老人はニコリと笑う。
 
「あんた、運が良かったねぇ」
「どうしてですか?」
「いや、この灯台は今では使われていなくて、今日はたまたま、海を見ながら酒を飲みたくて、火を入れたんだよ」
 
男は老人の話を聞いて、自分の幸運に感謝した。
 
終わり。

■解説

灯台の光が見えたのは2日前。
そして、老人は今日はたまたまた火を入れたと言っている。
では、2日前に男が見た光は灯台の光ではないということになる。
男は一体、なんの光を見たのだろうか。

 

村の怖い言い伝え

その村には昔からある言い伝えがあった。
 
それは悪い子がいると鬼に連れて行かれるというものだ。
 
昔の子供はその言い伝えを聞くと、みんなが怖がり、いい子になるのだという。
 
しかし、今の時代、そういう言い伝えは子供たちにもあまり通用しなくなってきた。
 
ある男の子は母親に「悪いことしてばっかりだと鬼に連れて行かれるよ!」と注意をされても、逆に母親をバカにする始末。
 
というのも、その子は、ある子供が鬼に連れ去られるときに鬼の正体を見て、それが隆くんのお父さんだと知っていたからだった。
 
言い伝えのような鬼はいない。
そう気づいてから、その子はイタズラばかりやっていた。
 
そして、そんなある日。
その子は行方不明となった。
 
村の人たちは鬼に連れて行かれたと子供たちに話し、子供たちはみんないい子になったのだった。
 
終わり。

■解説

確かに鬼の正体は隆くんの父親で、鬼は実際には存在しない。
しかし、実際に子供は連れて行かれている。
つまり、村の人たちが言うことを聞かない子供たちを、自分たちで間引きしているということになる。

 

サメ

ある島に小さな漁村があった。
その村に住む漁師たちは、日々の生計を立てるために海に漕ぎ出しては、新鮮な魚を獲りに行っていた。
 
そんなある日、漁師の一人が船を引き上げる際、船底に不気味な傷がいくつもついているのを発見する。
傷の形状はまるで巨大な歯か爪でできたようで、漁師たちは何か異常なものが村の周りに潜んでいるのではないかと不安を感じ始めた。
 
次第に、漁師たちは深夜に海に出ることをためらうようになる。
漁の成果が減り、村は次第に閉塞感に包まれるようになった。
ある晩、村人たちが灯りもない暗い海に漕ぎ出すと、その中に巨大な影が浮かび上がった。

船は揺、闇の中から現れたのは、巨大なサメの姿だった。
そのサメは通常のものよりも大きい。
 
漁師たちはサメに恐怖し、漁を諦めるしかないのではないかと考え始める。
しかし、漁ができなければ、村は食べていけなくなる。
 
村を放棄するしかないと考えていると、一人の祈祷師と名乗る男が現れた。
その男は祈りを捧げることで、サメを退けることができると話す。
 
村人たちは半信半疑だったが、もうその祈祷師の男にすがるしかなかった。
祈祷師の言う通り、助手を一人付け、村人たちは3日間、家の中に閉じこもる。
 
村には祈祷師の奇妙な叫び声のような祈りの声が響き渡り続けた。
 
そして、3日後。
祈祷師の男は村の人たちを集め、今ならサメに襲われずに漁が出来ると告げる。
 
漁師はその言葉を信じることしかできず、漁に出た。
 
すると祈祷師の男の言う通り、誰一人、襲われるどころか、サメは姿を現さなかった。
 
漁師たちは久しぶりの漁に張り切り、多くの魚を獲るのだった。
 
終わり。

■解説

祈祷師の男は助手を一人用意してもらったが、祈るだけなら助手はいらないように思える。
そして、3日間響いた、『叫び声』のような祈りの言葉。
さらに祈祷師の男についていた助手も、その後は出てきていない。
つまり、この祈祷師は助手をサメの生贄にした。
(助手の叫び声に不信を抱かせないように、ずっと叫び続けていた)
生贄を捧げていたため、その日はサメが現れなかった。

 

 こたつ

少女は両親の反対を押し切り、一人暮らしをするためにわざわざ遠い場所の大学を受験した。
 
必死の勉強が実を結び、大学に合格して念願の一人暮らしを勝ち取った。
 
だが、実際に一人暮らしをしてみると、自由を満喫できることよりもひとりでなんでもしなければならいことの方が苦痛に感じるのだった。
 
掃除洗濯、料理、買い物など、生活するだけで色々なことをしなければならない。
 
実家にいるときは全部、母にやってもらっていたのだと実感し、母の偉大さと自分の不甲斐なさに悶々とする毎日を送っていた。
 
そんなあるとき、記録的な大寒波が来て、氷点下の冷え込みが少女を襲う。
 
家の中も寒く、何もする気が起きないため、少女は夜ご飯を諦めて寝ることにした。
実家から持ってきた電気敷き毛布を使って寝ようとしたところ、いきなり、停電になってしまう。
 
これでは敷き毛布が使えない。
布団の中に入っても、冷えていて逆に眠れない。
 
そこで少女は出していたこたつの中で寝ることにした。
 
子供の頃はよく、そんなところで寝るなと母に怒られていたが、一人暮らしの今、怒る人はいない。
 
こういうとき、一人暮らしをしててよかったなと思いながら、少女は朝までこたつの中で眠った。
 
終わり。

■解説

停電になったということはこたつも使えないはずである。
氷点下の状態で、布団ではなくこたつで寝てしまったとしたら、風邪を引く、もしくは凍死の危険もあるかもしれない。

 

お経

住職の元に、ある母娘が相談にやってきた。
 
なんでも娘が悪霊に憑りつかれたのだという。
 
さっそく住職は娘に憑りついている悪霊を見る。
すると、この悪霊は強い怨念を持って娘に憑りついていることがわかった。
 
母親は娘のことが、自分の命よりも大切だと話し、どんなことをしてでも娘を助けたいのだと住職に訴えてきた。
 
そこで住職は恨みを解くことができるとされるお経を唱えた。
 
そのお経のおかげで、娘に対する悪霊の恨みは解くことに成功した。
 
だが、その数日後、娘は悪霊によって憑り殺されてしまった。
 
終わり。

■解説

娘に対する恨みは、お経によって解くことができている。
では、なぜ娘は悪霊に殺されたのか?
それは悪霊の恨みが、娘に対してではなく母親に向けられていたからである。
つまり悪霊は母親に恨みを持ち、自分の命よりも大切な娘の方に憑りつき、殺したというわけである。

 

人魂

その森はあの世と繋がっていると噂されていた。
 
その噂を聞いて、面白がって入っていった人が何人も行方不明になっている。
なので、地元の人間は何があってもその森には近づかないようにしていた。
 
しかし、他の街から噂を聞きつけ、森に入っていく者も多くなっているという状況だ。
 
そして、そのことでその森に新しい噂が立つ。
 
それは2人で森に入れば必ず人魂が見られるというものだ。
 
しかも、その人魂は何人も写真や動画に収めることに成功している。
 
それを知ったある男が、さっそく面白半分で、友人と一緒にその森へと入った。
 
すると、噂通り、男は人魂を見ることができた。
 
だが、男は同時に激しい後悔をすることになったのだった。
 
終わり。

■解説

なぜ、2人で森に入らないと人魂が見られないのか。
そして、なぜ、男は後悔することになったのか。
それは、男が見た人魂は一緒に行った友人のものだったからである。

 

アイマスク

なんか友達からアイマスクの新商品の試供をお願いされた。
微弱の電流が流れるので、目にもよく、温かくなるのでよく眠れるのだそうだ。
 
アンケートを書けば、お金もくれるらしいからお願いを受けることにした。
 
その日の夜、さっそくそのアイマスクを使う。
 
だけど、電流のピリピリが強いし、熱すぎる。
こんなんじゃ全然寝れない。
仕方ないから外して寝ることにした。
 
明日はテストがあるから、遅刻はできない。
アンケートは適当に書いておくことにする。
 
そんなことを考えていると、意外とぐっすりと眠れた。
 
そして、枕元のアラームの音が鳴る。
 
手探りでアラームを消す。
 
もう朝か。
そう思って目を開けたら真っ暗だった。
 
あれ?
まだ夜だったのかな?
 
一瞬、そう思ったが、そういえばアイマスクをしたんだった。
 
いや、びっくりしたよ、ホント。
 
終わり。

■解説

アイマスクは外しているはずである。
そして、アラームが鳴ったことから、朝になっているはずである。
では、なぜ、目を開けたら真っ暗だったのか。
それは語り部の目が見えなくなってしまったからである。

 

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