本編
私はマンションの15階に住んでいる。
もちろん、15階も階段で登れるわけがないから、エレベーターを使う。
でも、マンションのエレベーターは凄い小さい。
200キロまでだから、すぐに定員オーバーになってしまうのだ。
帰るときはまた来るまで待てばいいんだけど、朝の急いでいるときに定員オーバーになるのは辛い。
5分、10分が分かれ目のときに、定員オーバーになって次を待っていると、完璧に遅刻だ。
だから、そういうときは、祈りながらエレベーターのボタンを押す。
けど、そういう時に限って、人がたくさん乗っていて、私が乗った瞬間に定員オーバーのブザーが鳴る。
こういうときは乗れない上に、なんか恥ずかしい。
私の体重が凄い重いように思われてるんじゃないかって。
今日も寝坊してしまって、遅刻ギリギリの状態で、慌てて部屋を出る。
お祈りしながら、エレベーターのボタンを押す。
すぐに私の階にやってきて、エレベーターのドアが開く。
中には6人ほどの人が乗っていた。
全員、大人の人だ。
これは絶対にブザーが鳴るだろうなと思いながらも、ソーっとエレベーターに乗る。
すると、奇跡的にブザーが鳴らずに乗れた。
やったーと思っていると、3階でエレベーターが停まった。
ドアが開くと、女子高生がいて、乗り込もうとする。
だけど、定員オーバーのブザーが鳴った。
女子高生はため息をついて、エレベーターから降りた。
すぐにドアが閉まり、1階へと下がっていく。
それにしても、私はギリギリだったんだな。
危なかった。
女子高生には悪いけど、若いんだから、3階くらいは階段で行こうよ。
頑張って。
終わり。
■解説
そのエレベーターは200キロまでである。
しかし、語り部が乗り込もうとしたときは6人ほどが乗っていた。
しかも、全員が大人である。
そして、語り部も乗れたので、全員で7人になる。
そうなると、1人あたり28キロの体重になってしまう。
さらに、女子高生が乗ろうとした際にはブザーが鳴ったので壊れていないようだ。
もしかすると、エレベーターに乗り込んでいた中には、何人かは幽霊が混じっていたのかもしれない。