かぞくのえ

意味が分かると怖い話

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本編

女の子は幼稚園で、ある絵を描いてきてと言われた。
それは「家族の絵」というものだった。
お父さんでもお母さんでも、お兄ちゃんでも妹でもいいと保育士さんが言ったので、女の子は誰を描こうか迷ってしまった。
 
なので、女の子は家族のみんなを描くことにした。
家で一生懸命、女の子は絵を描いた。
 
次の日、女の子は保育士さんに絵を提出した。
その絵を見た保育士さんたちは顔を青ざめた。
 
なぜなら父親と母親らしき人物の間には、子供が1人いるものだった。
 
それだけなら微笑ましい絵なのだが、恐ろしいことに子供の首にはロープのような黒い線が絡まっていて、そのロープが天井の方に伸びている。
それは両親が子供を首つりさせているように見えたのだ。
 
もしかすると、女の子は虐待されているのかもしれない。
女の子の家族は、父親、母親、女の子の3人だと聞いているし、念のために現在の家族構成を調べてみても3人家族であることは間違いなかった。
これは何かの間違いという可能性もある。
 
保育士たちは女の子に「お父さんとかお母さんにイジメられてないか」を聞いてみる。
すると、そんなことはされてないと言う。
そこで保育士たちは女の子の絵を指差し、「でも、あの絵だとイジメてるように見えるよ?」と聞いた。
 
保育士の言葉を聞いて、女の子は笑う。
「イジメられてないよ。だって、あの絵には私はいないもん」
 
その言葉で女の子は虐待されていいないことがわかり、保育士たちはホッとしたのだった。
 
終わり。

■解説

女の子は「家族の絵を描いてきて」と言われている。
ということは、子供は女の子ではない場合は一体だれであるだろうか?
それは姉妹だと考えられる。
そして、保育士たちは女の子の「現在」の家族構成を調べ、3人だと確認できている。
 
つまり、女の子の父親と母親は、過去に女の子の姉妹の誰かを首を吊って殺している。

 

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