村の怖い言い伝え

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本編

その村には昔からある言い伝えがあった。
 
それは悪い子がいると鬼に連れて行かれるというものだ。
 
昔の子供はその言い伝えを聞くと、みんなが怖がり、いい子になるのだという。
 
しかし、今の時代、そういう言い伝えは子供たちにもあまり通用しなくなってきた。
 
ある男の子は母親に「悪いことしてばっかりだと鬼に連れて行かれるよ!」と注意をされても、逆に母親をバカにする始末。
 
というのも、その子は、ある子供が鬼に連れ去られるときに鬼の正体を見て、それが隆くんのお父さんだと知っていたからだった。
 
言い伝えのような鬼はいない。
そう気づいてから、その子はイタズラばかりやっていた。
 
そして、そんなある日。
その子は行方不明となった。
 
村の人たちは鬼に連れて行かれたと子供たちに話し、子供たちはみんないい子になったのだった。
 
終わり。

■解説

確かに鬼の正体は隆くんの父親で、鬼は実際には存在しない。
しかし、実際に子供は連れて行かれている。
つまり、村の人たちが言うことを聞かない子供たちを、自分たちで間引きしているということになる。

 

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