映画化

意味が分かると怖い話

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本編

1996年、男は殺人を犯した。
金目当てでの強盗に入った際、住人に抵抗されたことで逆上し、一家全員を殺してしまったのだ。
 
男は金を盗み、その家を後にしたが、すぐに近隣の住民の通報により事件が発覚する。
家の中には様々な手掛かりを残したことにより、すぐに犯人がその男だと特定された。
 
この事件はすぐに男が捕まって解決するはずであったが、警察は男を捕まえることはできなかった。
そのことで、世間では一種のミステリーと話題となったのだった。
 
だが、男が捕まらなかったのはすぐに国外へと逃げていたからだった。
 
30年が経ち、時効になったころ合いを見計らい、男は密かに帰国し、ひっそりと暮らし始める。
そんなとき、ある人物が男のことを嗅ぎつけ、やってきた。
 
その人物は「映画を作らないか」と言い出した。
あの事件の詳細、どうやって警察の手を逃れて海外へと出られたのか。
それを映画にすれば大ヒット間違いなしだと言われる。
 
男は生きていく中で金が必要だったため、それを了承する。
 
その人物の目論見通り、その映画は大ヒットを記録した。
映画の中で、事件の詳細が語られたこともあり、視聴者は映画に釘付けになった。
 
そして、男の手には多くの金が転がり込んだのだった。
 
終わり。

■解説

現在では殺人罪や強盗殺人の時効は廃止されているが、男が事件を起こしたのは1996年で、そのときはまだ、時効は廃止されていない。
なので、男は捕まらないはずだが、男は自ら映画で海外に行っていたことを語っている。
海外にいる間は時効の年数は止まっているので、この後、男は警察に捕まることになる。

 

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