トラベルコーディネーター

意味が分かると怖い話

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本編

男はある旅行会社でトラベルコーディネーターをしている。
一昔は景気がよく、従来のプランでも予約は埋まっていた。
 
だが、最近は景気が悪く、旅行する人も減ってきたため、目玉となるようなプランがなければ予約が入らない。
 
男は必死で旅行プランを立てるが、全然、人が来ない。
そんな男に対し、会社は何とかしろと圧力をかけてくる。
男は積極的に、旅行にも同行して参加者の意見を聞こうとしている。
 
そんな中で、旅行者から「プランの派手さよりも口コミを重視する」という話を聞いた。
今はSNSの時代。
実際に旅行に行った人の声が一番あてになるとだという。
 
そして、今回来ている客は常連ばかりだった。
せっかくの海外旅行なのに、ありきたりな場所ではきっといい口コミをしてくれない。
そこで男は急遽、プランの変更を行う。
普段は選ばないような場所に連れて行き、口コミをしてもらおうとしたのだ。
 
同行したスタッフからは止めらえたが、逆に止められるような場所こそ、常連が行きたい場所なのではないかと考えた。
 
そして、男はルートを変更し、普段とは違う場所に案内する。
 
男が思った通り、客たちは普段見ない光景に満足したようで、みんな写真や動画を撮り始めた。
中には、帰ったらすぐにSNSにアップすると言う客もいた。
 
男は今回の旅行プランに手ごたえを感じていた。
 
しかし、その後、その客たちは口コミをアップすることはなく、男が務めていた会社も倒産してしまった。
 
終わり。

■解説

スタッフが止めるほどのルートは危険ということである。
その危険さゆえに、他の旅行会社もプランに入れていなかった。
つまり、男は客と共に何かしらの事故に見舞われてしまった。
口コミがアップされなかったのは、アップできなかったからである。
また、会社が倒産したのは、客に対し犠牲者を出してしまったからだった。

 

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