鏡の向こう

意味が分かると怖い話

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本編

少年は不思議な鏡を手に入れた。
 
その鏡は自分の傷を鏡に写った自分に移すことができるというものだ。
 
少年は普段から注意力散漫で生傷が絶えなかったため、喜んで使っていた。
 
そんなある日。
少年は定期を使って駅の改札を通る際に、勢いが余って自動改札機に思い切り、手を叩きつけてしまった。
 
そのせいで、小指を強打してしまい、内出血で青黒くなってしまう。
 
次の日。
少年は友達に、左手の小指が内出血で青黒くなっていることを尋ねられた。
 
「不注意でぶつけちゃって」
 
少年はそう言って、照れくさそうに笑った。
 
終わり。

■解説

駅の自動改札機は『右側』にあるはず。
では、なぜ、少年は『左手』の小指に内出血があるのか。
また、なぜ、いつも傷を鏡の中の自分に移していたのに、今回は移していないのか。
もしかすると、少年と鏡の中の少年が入れ替わってしまったのかもしれない。

 

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