■本編
え?
白骨化してたんですか?
いえ、知らなかったです。
なんか、救急車とか警察が来てるなーとは思ったんですけど。
いやいや、隣って言ったって、顔を合わせたことないですからね。
ヤバい人だって思って、関わらないようにしてましたよ。
だって、一人暮らしなのに部屋から出てる気配がないんですから。
どうやって生活してたんですかね?
最近はさらに酷かったですよ。
深夜の1時くらいに、こっちが寝ようと思って電気を消したころに電気を煌々と付けるんです。
それまで、真っ暗にしてたんですよ。
それが、1時になったら電気をつけるんですもん。
しかも、カーテンを閉めないから、明かりがこっちの部屋にもろに入るんです。
何度か文句を言いに行こうと思ったんですけど、関わらない方がいいなって。
だから、こっちが厚手のカーテンを買いましたよ。
えっと、これは独り言だと思って欲しいんですけど……。
正直、いなくなってよかったと思います。
終わり。
■解説
隣人は白骨化した状態で見つかっている。
しかし、語り部は最近、電気の話をしている。
一体、誰が隣人の部屋の明かりを付けたり消したりしていたのだろうか。