夜のコンビニ

意味が分かると怖い話

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■本編

最近は仕事が忙しくて、終電ギリギリに帰ることが多い。
そんな時間になれば、食べ物屋さんで空いてるところなんて、そうそうない。
 
牛丼屋とか、24時間営業のチェーン店もあるけど、うちの周りにはない。
 
そんなときに重宝するのがコンビニだ。
 
いつでも空いてるし、食べ物に困ることはない。
なので、よく会社帰りにコンビニによって弁当を買って帰るというのがいつもの流れだ。
しかも、終電の時間になると、ほぼ弁当は残ってなく、余ったものを食べるしかない。
正直、食べ飽きたり好きじゃない弁当を食べることになるが、そんなわがままは言ってられない。
 
その分、休みの日はちょっといい値段のお店で外食するのが、唯一の楽しみになっている。
 
でも、最近は平日の仕事があまりにも忙しすぎて睡眠に時間を割き過ぎてしまう。
今日もダラダラと寝ていたら、夜の10時になってしまった。
この時間になったら、もう食べ物屋はやっていない。
 
今から外に出るのも面倒くさくなって、食べるのを諦めた。
 
だけど、深夜1時を回った頃、物凄い空腹に襲われてしまった。
仕方がない。
買いに行こう。
 
この時間で空いてるのはコンビニしかない。
 
いつものコンビニに向かう。
コンビニに入ると、買っている漫画の続巻と雑誌が出ていたので、それをカゴに入れる。
そういえば、しばらく洗濯もしてないから下着とタオルも買っておこう。
あと、飲み物のコーラも忘れてはいけない。
2リットルのものをカゴに入れる。
 
そして、そこであることを思い出す。
確か、郵便受けに公共料金の支払いのハガキが来ていたはずだ。
どうせだったら、持ってくるんだった。
 
なんて考えながら会計を済ませる。
財布の中には123円しか残らなかった。
 
逆に公共料金のハガキを持ってこなくてよかった。
危うく恥をかくところだった。
 
終わり。

■解説

語り部は肝心の弁当を買っていない。
しかも、財布の中には123円しか残っていないので、買うことができなくなっている。

 

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